AppleはEveryone Can Codeに、ロボットやドローンの制御を追加するなど、カリキュラムを進化させ続けている。テクノロジーの発達により、コードでできることが広がっていく中で、iPad上でのプログラミング学習でも、それを体験できるよう、注意深くコンテンツを整えているのだ。

おそらく秋に公開するEveryone Can Createでも、同じことが起こるだろう。現在は音楽、ビデオ、写真、スケッチがテーマとなっているが、例えばARを用いた街や自然のモデルを作ったり、アニメーションを作ったりするかもしれない。

Animojiは、自分の表情でキャラクターを動かすことができるが、これがClipsに採用されるかもしれない。ちなみに現在のClipsには、iPhone XのTrueDepthカメラを用いて、背景を異なる風景に差し替えることもできるようになった。その他にも、最新のGarageBandでは、ギターやシンセサイザーなどのパラメーターを表情で操作する新しいインターフェイスが実装された。

手元のデバイスのテクノロジーによって、想像力や可能性が広がるという最も身近な体験は、Everyone Can Createのテーマとも合致し、既に公開済みのクリエイティブアプリと最新の端末によって、新しい体験やアイディアを供給するようになる。

そうした活動と教室を直結させる活動が、Everyone Can Create、と位置づけられよう。

松村太郎(まつむらたろう)


1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura