PCを持ち運んで使いたいというニーズは非常に高く、据え置き利用が基本でも、デスクトップPCではなく、15.6型などのノートPCが選ばれがちです。では、モバイル性を最重視した場合、PCの選び方はどう変わってくるのでしょうか。
2018年の春に店頭やWeb通販で購入できる製品の中から注目したいPCを紹介する本企画、第3回はモバイルPCのスタンダードともいえる13.3型の中から、おススメの6機種を取り上げます。紹介は順不同、価格はすべて4月2日時点のものです。
[2018年春]注目したい&買ってみたいWindows PC | |
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■15.6型ノートPC ハイエンド編 | ■15.6型ノートPC エントリー編 |
■13.3型モバイル編 | ■13.3型以外のモバイル編 |
■コンバーチブル2in1編 | ■デタッチャブル2in1&タブレット編 |
■ゲーミング編 |
一日持ち運んでも苦にならない超軽量モバイルノート - 富士通「LIFEBOOK UH75/B3」
今回取り上げる13.3型でもっとも軽量なPCが、富士通の「LIFEBOOK UH75/B3」です。基本性能ではより上位に「UH90/B3」もラインナップしていますが、ここではUH90/B3より軽く、クラス最軽量のUH75/B3に注目しました。その重量はなんと約748g! 500mlペットボトル1本+おにぎり2個ほどと、一日中でも持ち歩ける重さです。
ちなみに、サテンレッド(FMVU75B3R)と、ピクトブラック(FMVU75B3B)の2色があり、サテンレッドはピクトブラックより3g重い約751gになっています(塗装のため)。
あまり軽いと堅牢性が気になるところですが、UH75/B3では天板素材のマグネシウムリチウム合金の素材組成を調整することで、従来比約25%の強度向上を実現。天板の全面加圧試験では約200kgfの加圧加重に耐え、1点加圧試験でも35kgfに合格し、落下やたわみ耐久、振動、液晶開閉などの試験もクリアしています。カバンに入れて満員電車に乗ったらヒビが入ってしまったなどという心配もなさそうです。
やや気になるのはバッテリ駆動時間。8.3時間(スペック値)あれば、打ち合わせや営業の1件、2件は余裕そうですが、朝から晩まで持ち歩いて使うには不安。ACアダプタを持ち歩くか、重量増になるもののBTOでバッテリ容量を倍増しておくのが良さそうです。
製品名 | LIFEBOOK UH75/B3 |
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量販店価格 | 167,180円前後(税込) |
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i5-8250U(1.60~3.40GHz) |
メモリ | 4GB |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ | SSD 128GB |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ/タッチパネル | 13.3型(1,920×1,080)/― |
有線LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応 |
無線LANとBluetooth | IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 |
センサー | 指紋(Hello対応) |
主なインタフェース | USB 3.1(Gen1) Type-C×1(USB Power Delivery対応)、USB 3.0 Type-A×2(内1ポートはパワーオフUSB充電対応)、HDMI出力×1、92万画素カメラ、LAN(RJ-45)×1、ヘッドホンマイクジャック×1、SD(SDHC、SDXC)メモリーカードスロット×1、盗難防止ロックスロット×1 |
バッテリ駆動時間 | 8.3時間 |
本体サイズ/重量 | W309×D212.5×H15.5mm/約748g(ピクトブラック) |
丸一日、充電なしで持ち歩ける!! - LGエレクトロニクス・ジャパン「LG gram 13Z980-GA56J」
1kgを切る軽量ボディに、約27時間という圧倒的なバッテリ駆動時間を詰め込んだのが、13.3型の「LG gram 13Z980」です。本体カラーはダークシルバーの1色。
もともとLG gramは、重さを量ったときに「キログラム」にならない、「グラム」の範囲に収まる軽量さがコンセプト。それもあって、従来モデルでは重量は約840gでした。新モデルは1kg未満のラインは守ったまま、バッテリ容量を大幅に増やして、駆動時間を倍以上に延ばしています。とにかく持ち歩くけれど、ACアダプタは極力持ちたくない。そんなモバイルユーザーにこそ、最適といえそうです。
従来モデルとの違いでは、キーボードに日本語キーボードを採用するようになりました。英語キーボードに不自由さを感じて見送っていた人には朗報でしょう。なお、CES 2018で展示されていたモデルと比べると、ディスプレイのタッチ操作が非対応となり、指紋認証センサーも省かれています。
製品名 | LG gram 13Z980-GA56J |
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量販店価格 | 155,300円前後(税込) |
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i5-8250U(1.6~3.4GHz) |
メモリ | 8GB |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ | SSD 256GB |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ/タッチパネル | 13.3型(1,920×1,080)/― |
有線LAN | 100Base-TX/10Base-T(USB Type-C/RJ45変換コネクタ利用) |
無線LANとBluetooth | IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 |
センサー | ― |
主なインタフェース | USB Type-C×1、USB 3.0×2、HDMI出力×1、92万画素カメラ、ヘッドホン出力×1、microSDメモリーカードスロット×1 |
バッテリ駆動時間 | 27時間 |
本体サイズ/重量 | W305.9×D211.8×H15.5mm/約965g |
強烈な個性を求めるビジネスマンに - VAIO「VAIO S13 ALL BLACK EDITION」
オールブラックの名の通り、天板のVAIOロゴからヒンジ部の飾り、化粧箱に至るまですべてを黒で統一した、ブラック大好き人間には垂涎の1台です。4月2日時点の直販価格は最小構成が税別189,800円~。量販店価格はハイスペックな構成で256,820円前後(税込)となっています。
CPUの性能を引き出す、VAIO独自のプロセッサチューニング「VAIO TruePerformance」により、同じCPUを搭載したモデルと比較して約13%のパフォーマンス向上を実現。ビジネスユーザーを意識しており、D-Sub、Gigabit Ethernet、3つのフルサイズUSB端子など、インタフェースが充実しているのも特長です。
複数の周波数帯を同時に使用することで、通信速度の向上や安定化を図るキャリア・アグリゲーションに対応したSIMフリーLTEも搭載。SIMカードをPC本体に挿すことで、モバイルWi-Fiルータや、スマートフォンのテザリングなしでも、外出先で気軽にインターネットにアクセスできます。
なお、オールブラックではない通常モデルは、VAIO TruePerformanceに対応した第8世代Intel Core搭載モデルで、直販146,800円(税別)から用意されています(4月2日時点)。ブラックにこだわらない方なら、こちらも要検討の1台。
製品名 | VAIO S13 ALL BLACK EDITION |
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量販店価格 | 256,820円前後(税込) |
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i7-8550U(1.80~4.00GHz) |
メモリ | 8GB |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ | SSD 256GB |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ/タッチパネル | 13.3型(1,920×1,080)/― |
有線LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応 |
無線LANとBluetooth | IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 |
センサー | GPS、指紋(Hello対応) |
主なインタフェース | USB 3.0×3(内1ポートはUSB充電対応)、HDMI出力×1、92万画素カメラ、LAN(RJ45)×1、D-Sub1、ヘッドホンマイクジャック×1、SD(SDHC、SDXC)メモリーカードスロット×1、microSIMスロット×1、セキュリティロックスロット×1 |
バッテリ駆動時間 | 12時間 |
本体サイズ/重量 | W320.4×D216.6×H15~17.9mm/約1.07kg |
上品なデザインでも機能や性能は妥協せず - 日本HP「HP Spectre 13 パフォーマンスモデル」
2017年モデルでは発売当時に世界最薄をうたった、ラグジュアリーなシリーズの最新モデルです。2018年モデルではディスプレイのタッチ操作に対応するため、最厚部が11.2mmから12.5mmとなり、世界最薄の座は他社製品に譲りましたが、上品で洗練されたデザインには磨きがかかりました。
本体はセラミックホワイトとアッシュブラックの2色展開。ただし、アッシュブラックはキー配列が英語になっています。好きな人にはかえってグッとくる仕様かもしれませんね。
本体天面はCNCアルミニウムの削り出し。磨いて陽極酸化処理を施したあと、セラミックホワイトではアニオン電着塗装によって着色することで、引っかき傷に強く、指紋の付きにくい塗装面を実現しています。
CPUにCore i5-8250U(1.60~3.40GHz)、メモリ8GB、SSD 256GBを採用のスタンダードモデルと、CPUがCore i7-8550U(1.80~4.00GHz)、メモリ16GB、SSD 512GBを採用するパフォーマンスモデルがあり、直販価格の価格差は税抜で30,000円になっています(4月2日時点)。
ここまでの性能は必要ないというユーザー向けに、より安価ながらデザインは踏襲した「ENVY 13」もラインナップしています。
製品名 | HP Spectre 13 パフォーマンスモデル(13-af019TU) |
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直販価格 | 179,800円(税抜)~ |
OS | Windows 10 Pro 64bit |
CPU | Core i7-8550U(1.80~4.00GHz) |
メモリ | 16GB |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ | SSD 512GB |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ/タッチパネル | 13.3型(1,920×1,080)/○ |
有線LAN | ― |
無線LANとBluetooth | IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2 |
センサー | 顔認証(Hello対応) |
主なインタフェース | USB 3.1 Type-C×3(電源オフUSBチャージ機能対応、内2つはThunderbolt 3対応)、92万画素カメラ、ヘッドホンマイクジャック×1 |
バッテリ駆動時間 | 11時間15分 |
本体サイズ/重量 | W308×D225×H10.4~12.5mm/約1.11kg |
フットプリント最小! デザインと性能を追求した1台 - デル「XPS 13(9370)」
今回取り上げた6機種の中でもっともフットプリント(接地面積)が小さく、本体の厚みも薄いPCが、デルの「XPS 13(9370)」です。面積はA4用紙より少し小さく、この面積に13.3型のディスプレイを搭載できるのは、ディスプレイ周囲のベゼル幅を約4mmという極限まで薄くしたため。ベゼルが目に入らないディスプレイは画面の没入感が半端じゃありません。
さらにこのディスプレイ、オプションで3,840×2,160ドットの4K Ultra HDが選択できます。持ち歩ける4K液晶が欲しければ文句なしにイチオシ! 下のスペック表は、4K Ultra HD対応の量販店モデル「MX73T-8HHBSB」でまとめました。ダイレクト販売では最小構成のモデルが税別169,980円、クーポン適用で税別141,083円(いずれも4月2日時点)から販売しているので、4Kいらないよという人は最小構成から検討するのもおススメです。
バッテリ駆動時間が長いのもポイント。フルHDモデルは19時間46分(スペック値)を実現しています。本体カラーは、プラチナシルバー&ブラックと、ローズゴールド&アルペンホワイトの2色。グラスファイバーを使って格子状の模様の入ったパームレストは、特殊なコート剤で独特な手触り。オシャレな見た目にこだわりたい人も注目です。
製品名 | XPS 13(9370) |
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量販店価格 | 258,984円前後(税込) |
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i5-8250U(1.60~3.40GHz) |
メモリ | 8GB |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ | SSD 256GB |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ/タッチパネル | 13.3型(3,840×2,160)/○ |
有線LAN | ― |
無線LANとBluetooth | IEEE802.11ac/a/b/g/n、不明 |
センサー | 指紋(オプション) |
主なインタフェース | Thunderbolt 3×2(PowerShare対応)、USB 3.1 Type-C×1(PowerShare対応)、DisplayPort×1、92万画素カメラ、ヘッドホンマイクジャック×1、microSD(microSDHC、microSDXC)メモリーカードスロット×1、Nobleロック×1 |
バッテリ駆動時間 | 11時間 |
本体サイズ/重量 | W302×D199×H7.8~11.6mm/約1.21kg |
仕事やプライベートで光学ドライブが必要な人に - 東芝「dynabook RX73/FBR」
ブルーレイディスクドライブを備えたモバイルPCが欲しければ、東芝の「dynabook RX73/FBR」に注目です。同シリーズにはDVDスーパーマルチドライブ搭載モデルもあり、SSD容量の違いでもモデルが分かれています。本体カラーはグラファイトブラックとプラチナホワイトの2色で、最上位はグラファイトブラックのみ。
光学ドライブ搭載ノートPCとして、脈々と進化してきた「dynabook RX」シリーズ最新モデル。ハードウェア構成は従来モデルと同等で、ソフトウェアが春モデル共通ソフトに変更されています。CPUが第7世代だったり、USBはType-Cがなかったり、画面はタッチ非対応だったりと、痒いところに手が届いていない感もあります。しかし、バッテリ駆動時間が14時間と長く、ACアダプタも約140gと軽め、D-Subも備えるなど、ビジネス用途で持ち歩きたいユーザーには気になるポイントが押さえられた仕様になっています。
製品名 | dynabook RX73/FBR(PRX73FBRBEA) |
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量販店価格 | 194,700円前後(税込) |
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i7-7200U(2.50~3.10GHz) |
メモリ | 8GB |
グラフィックス | Intel HD Graphics 620 |
ストレージ | SSD 512GB |
光学ドライブ | ブルーレイディスクドライブ |
ディスプレイ/タッチパネル | 13.3型(1,920×1,080)/― |
有線LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応 |
無線LANとBluetooth | IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 |
センサー | 指紋(Hello対応)、顔(Hello対応) |
主なインタフェース | USB 3.0×3、HDMI出力×1、MiniD-sub15ピン×1、92万画素カメラ、LAN(RJ45)×1、ヘッドホンマイクジャック×1、SD(SDHC、SDXC、MMC)メモリーカードスロット×1、セキュリティロック・スロット×1 |
バッテリ駆動時間 | 14時間 |
本体サイズ/重量 | W316×D229×H17.2~21.4mm/約1.32kg |