日本エア・リキードは、神奈川県川崎市に建設した、燃料電池自動車(FCV)向けの「川崎水素ステーション」の営業を4月1日より開始すると発表し、3月30日に開所式を開催した。同ステーションは、日本エア・リキードが直接所有・運営するものとしては、6番目のものとなる。
日本政府は、水素社会実現に向けた基盤構築に向けて、2025年度までに320か所の水素ステーションを設置することを目標として掲げている。日本エア・リキードは、この目標の達成に貢献すべく、トヨタや日産など11社と合同で「日本水素ステーションネットワーク合同会社」を設立しており、今回のステーション建設は、この合同会社による取り組みの1つとなる。
また、日本エア・リキードはこの活動を通じて、2017年度から2021年度までの4年間で約20か所のステーション建設を目指している。
4月より営業が開始されるこのステーションは、日本エア・リキードのガス生産拠点(川崎オキシトン 川崎工場)に隣接して建設されており、建設時間短縮やコスト削減を目指し、圧縮機などの主要機器を1つの筐体に収めた、エア・リキード独自の標準パッケージ方式を採用している。
水素はクリーンな輸送を実現し、「空気の質」を高めるエネルギーとして期待されている。エア・リキードは、製造、貯蔵、輸送、アプリケーション開発まで水素に関わる幅広い分野に関わっており、すでに世界でおよそ100か所の水素ステーションを設計・据付している。
日本エア・リキードの社長兼CEOを務める矢原史朗氏は今回の新ステーションの営業開始に関して、「エネルギー・環境の転換はエア・リキードが貢献を目指す世界的メガトレンドの1つであり、エネルギーとしての水素利用は、わたしどもがお届けできるソリューションの代表例です。今回のステーションの営業の開始により、神奈川県と東京都を結ぶ中堅地点という立地を活かし、水素モビリティ発展の重要拠点となるよう努めます」などとコメントした。