今年(2018年)日本のSIMフリー市場に参入した世界第4位のスマートフォンメーカー、OPPOのマーケティング、プロダクトおよび人事担当者が、中国・深セン(センは土へんに川)のオフィスで、改めて日本進出の狙いとカメラ機能を中心にした今後のスマートフォンの展開ついて語りました。日本法人の足固めのために積極的な求人を行っていくことなど、人材戦略についても明らかにされています。

  • 2018年2月に日本で発売されたOPPOのスマートフォン「R11s」

2,000万画素+1,600万画素のデュアルレンズを搭載するスマートフォン「R11s」を、日本向けに発売中のOPPO。「気楽にいい写真を撮り、簡単に生活の楽しみを記憶」できることを目指し、ここ数年は特にカメラに注力したスマートフォンを展開。メインカメラだけでなく、セルフィー用のフロントカメラにも多彩な機能を搭載し、中国や東南アジアなどの市場で多くの若者に支持を得ています。

  • OPPOが最も注力するカメラ機能について、これまでの取り組みを紹介する技術担当のスー・ユー氏

「セルフィー」に見出したビジネスチャンス

同社でカメラ技術を担当するスー・ユー氏によれば、OPPOはすべてのリソースをスマートフォンのみに注力。消費者に最も優れた製品体験を提供することを目指してきたとのこと。特にカメラについては強いこだわりを持っていて、どんなシーンでもベストな写真が撮れるよう、ソフトウェアのアルゴリズムを最適化。またハード面でも、ソニーやクアルコムなどのサプライヤーと協力して、モジュールやセンサー、チップセットを共同開発を行ってきました。

中でも同社が最も力を入れているカメラ機能のひとつが、肌などを自然にかつなめらかに加工するビューティー機能。「R11s」では、1万枚以上のセルフィー写真のサンプルを集めて解析。そのビッグデータをAIへ活用し、よりユーザーが好ましく思うビューティー機能を実現しています。

  • プロダクト担当のリステン氏。日本市場への理解を深め、必要に応じて「R11s」以外のプロダクトライン投入も検討するとのことです

同社がビューティー機能に注力するようになったのは、今から5~6年前。当時フロントカメラはあまり使われていませんでしたが、女性がフロントカメラを鏡として使用していたこと、SNSが人気になりつつあったことなどから、セルフィーにビジネスチャンスを感じたのがきっかけだったそうです。

最近はOPPOに限らずどのスマートフォンメーカーでも、デュアルカメラや高精細なフロントカメラを搭載するなど、カメラ機能やセルフィー機能を競うようになってきましたが、この状況に対して同社では「ユーザーとのコミュニケーションを密にすることで、他社と差別化をはかっていく」と、プロダクト担当のリステン氏。

国ごとに異なる美意識にあわせた、ビューティー機能のローカライズにも力を入れていて、実際に日本でも「R11s」発売後、すでにユーザーニーズの調査に乗り出しているそう。今後は日本人の好みにあわせた、日本版のビューティーモードを搭載するスマートフォンも登場しそうです。

  • キャリアマーケット担当のグローバルデレクター、ビンセント・ウォン氏

なぜいま日本に? キャリアとの連携も視野

OPPOの日本進出にの意義については、同社でキャリアマーケットを担当するビンセント・ウォン氏が説明。日本進出はOPPOというブランド価値の向上という意味でも、また今後新たな市場開拓を行っていく上でも同社にとって欠かせないステップとのこと。

日本のSIMフリー市場だけでなく、キャリア市場も視野に入れていて、その際にオーストラリア、シンガポール、台湾といった、日本と同じく大手キャリアの端末が大きなシェアを持つ地域で得たノウハウがいかせると考えているそう。日本のキャリアから要望があれば、防水などに対応できる準備もあると語るなど、世界でも稀なキャリア主導の日本市場で、より多くのノウハウを得ようという意気込みが伝わってきます。

  • 「より多くの若者を育てることは、会社が儲けることより大切」とのCEOの考えを紹介する人事担当のヘルソン氏

  • グローバル担当部門などが入居する深圳のオフィスには、トレーニングジムやダンススタジオなどの設備も完備されています

200人規模のチーム目指し、若い人材にも期待

一方で具体的な計画や目標については明らかにされず、「現在はまずローカルチームの立ち上げに注力している段階」とウォン氏。まずは日本法人の人材採用を進め、来年末には200人規模のチームを目指す計画です。同社の求人広告ではキャリアマーケティング経験者に対する、1,000~3,000万円という高額の年俸も話題になりましたが、そうした経験者を求める一方で、若い人材も積極的に採用し、育てていきたいとのこと。

人事担当のヘルソン氏によれば、同社は実際に90年代生まれが約44%を占める非常に若い会社で、平均年齢は29.5歳。20代のチームリーダーも数多くいて、新入社員向けの実践的なトレーニングプランや、食堂、スポーツジムなどの福利厚生施設も充実しています。さらにトップにもランチミーティングなどを通して意見交換ができると、風通しの良さもアピール。優秀な人材を得て、数年後には日本市場で主要なプレイヤーとなることを目指したいとしています。

国内ではまだほぼ無名に近いOPPOブランドの認知向上はもちろんですが、大卒の内定率が過去最高を更新するなど売り手市場の日本で、希望どおり若い人材を確保できるかかどうか同社の当面の課題と言えそうです。