「CANADA DRY」ロゴが入る理由

「ザ・タンサン」には別の差別化ポイントもある。それはパッケージだ。「THE TANSAN」とインパクトがあるデザインにしたこと、そしてもうひとつは「CANADA DRY」のブランドロゴを入れたことだ。

  • 「CANADA DRY」のブランドロゴを入れたのには理由がある

インパクトの強さは、リフレッシュを求める人にマッチしたデザインだとわかる。しかし、なぜブランドロゴが入ったのか。そこには意味があるのか。

その答えは新製品の信頼感を高めるためだ。確かにロゴがなければどこの商品かわからない。日本コカ・コーラの製品ブランドであることがわかれば、迷いなく買う人はいるはずだ。ロゴの有無で、売れ行きも大きく変わりそうなのだ。

そして「CANADA DRY」でなければならなかった理由もある。西尾氏によれば、炭酸水の購買層は30代以上が9割だという。この層に対して訴求できるのが「伝統」「品質」「大人向け」というイメージが備わった「CANADA DRY」ブランドというわけだ。

飲料市場は毎年、多数の新製品が生まれ、その多くが翌年には姿を消す激戦区。「ザ・タンサン」はブランドロゴで消費者に信頼感を与えつつ、味でも差別化を図るなど、激戦市場で存在感を出すために周到な準備が行なわれてきたようにも感じられる。あとは、強炭酸でありながらもおいしいという触れ込みに、消費者がどう反応するか。最終的にはそこが命運を分けそうだ。