―― アクロニスは、ブロックチェーン技術やAI技術などの最新技術の採用に積極的ですね。

ベロウゾフ氏:ブロックチェーン技術は、バックアップデータの非改ざん性を証明するAcronis Notaryに活用していますし、Acronis True Image 2017 New Generationでは、個人向け製品としては世界で初めて、ブロックチェーン技術を採用しました。ブロックチェーン技術を活用することで、データが改ざんされていないことを証明したり、仮に改ざんされていた場合にも、どのように改ざんされたかがわかったりします。

また、Acronis Ransomware Protectionは、独自のAIをベースに開発した製品であり、これによって、ランサムウェアの攻撃をリアルタイムで停止し、データを回復できます。ブロックチェーン技術も、AI技術も、今後、我々の製品のなかに積極的に取り込んでいきます。こうした最新技術を活用することが、データを守るためには、大切だと考えています。

次期主力製品では、AI機能をさらに充実させます。これによって、ランサムウェアから保護するだけでなく、システム障害やアプリケーションの障害、ハードウェアの障害からもデータを守り、それらの機能が自律的に動くようにします。ユーザー自身がデータを解析する機能にも、AIを活用していきます。

こうしたテクノロジーは大切ですが、それ以上に重要なものがあります。それはデータを守るという本質です。たとえば、カメラを購入するとき、テクノロジーが欲しいからではなく、いい写真を撮りたいから買うわけです。こうした主目的のために、使いやすくて、効率的で、信頼性の高いテクノロジーが存在するわけです。

我々にとっては、究極の目的はデータを守ることです。ユーザーは、ブロックチェーンやAIといった新たなテクノロジーが欲しいのではなく、データをしっかりと保護してくれる環境を求めています。ユーザー自身が利用したときに、完全なソリューションとして、より高い価値を享受できるものにしなくてはなりません。

―― アクロニスには、AIの技術者、あるいはブロックチェーンに関する技術者は、どれくらいの人数がいるのですか。

ベロウゾフ氏:この2年間で、AIおよびブロックチェーンを担当する社内の技術者の数は、5~10倍ほどに増えています。AIもブロックチェーンもあらゆる製品に関わってきますから、エンジニアに対しては常々、AIおよびブロックチェーンに関する技術を高めるように提案し、社内でもトレーニングを実施しています。

それによって、スマートな設計が行うことができ、必要なテクノロジーをソリューションに生かせるようになります。専門知識を持った人材を採用することに加えて、専門知識を持った人材を育成していくことにも力を注いでいます。