―― アクロニスは、ハイブリッドクラウドによるデータ保護を強みのひとつにしていますね。これは、日本の企業に、どんなインパクトを持ちますか。

ベロウゾフ氏:アクロニスが提供するハイブリッドクラウドによるデータ保護ソリューションは、ローカルのデータリカバリーを、短期間に、高いセキュリティ環境のもとで行えるメリットがあります。

レストアということを考えるのであれば、オンプレミス環境にデータを置いておくことがいいかもしれません。しかし、膨大なすべてのデータをオンプレミスに置いていては多くのコストがかかりますし、管理も煩雑になります。

さらに、火災が発生したり、サイバー犯罪に巻き込まれたといった万が一の場合にも安全とはいえません。日本は地震が多い国ですし、日本の企業がデータの安全性を確保しようと思うのであれば、クラウドに変わるソリューションはないといえます。日本ではハブリッドクラウドを活用するメリットを、もっとアピールしていきたいですね。

―― 2018年はアクロニスにとって、どんな1年になるでしょうか。

ベロウゾフ氏:2018年は、アクロニスにとって、さらなる成長の1年になります。さまざまな製品を新たに投入していきますし、なかでも、データプロテクションやセキュリティマネジメントをトータルで提供できるソリューションが最大の目玉になります。

たとえば、PCのデータを保護しようと思ったら、ファイヤーウォールを設定し、マルウェア対策ソフトをインストールして、アプリケーションやOSを最新のものにしておくといった古い方法しか残されておらず、手間もかかります。

アクロニスでは、こうした古い環境から脱却し、脆弱性の分析やパッチの管理、モニタリグ、バックアップ、ディザスタリカバリー、レポーティング、リモートマネジメントもひとつのソリューションで提供することになります。これが、Acronis Total Protectionになります。

  • Acronis Total Protection

日本では、ビジネスユーザー向けには2018年5月、コンシューマユーザー向けには2018年8月に発売する予定です。2018年の目玉として、このソリューションには、ぜひ注目してもらいたいですね。

そのほかに、データアナリティクスやアーカイビングといった領域にも力を注ぎたいと思っていますが、これに関してはまだ詳細をお話しできる段階にはありません。また、アクロニスは、マーケットシェアの目標を持っているわけではありません。社内にあるのは、アタッチレートの目標です。すべてのユーザー、すべてのデバイスで、データをプロテクトする、というのが我々の最終目標であり、この目標に対しては、まだまだ長い道のりがあります。2018年は、この目標に向けてできるところからやっていくということになります。

―― 2018年のアクロニスを示す言葉はなんでしょうか。

ベロウゾフ氏:一言でいえば「エキサイティング」。日本の市場にアクロニスが参入した当初は、イメージプフロテクションをトータルで提供することが中心でしたが、いよいよこれがトータルプロテクションとして提供することができるようになります。

シングルソリューションで、エンド・トゥ・エンドでデータの保護を実現できるようになるわけです。製品がようやくそろってきたことで、新たなステップに踏み出せるともいえます。ここにエキサイティングの意味があります。2018年のアクロニスのエキサイティングな取り組みに、ぜひ期待していてください。