近ごろは、写真のカメラマンも動画撮影にチャレンジするケースが多くなっています。撮影技術と機材は写真の延長で分かりやすいのですが、つまづきやすいのが音声収録。多くの人は、マイクをカメラの上に載せた「ちょんまげ」と呼ばれるスタイルでの撮影を模索するのですが、カメラを操作した際のタッチノイズを拾いやすく、インタビュー収録などでは話者から少し離れると音声が不明瞭になりがちです。

これを解消するには、ラベリアマイク(いわゆるピンマイク)を話者に取り付けるのが一番なのですが、二人の対談ともなると2台のマイクの電波を1台で拾える機器があまりなく、音声ミキサーを別途用意する必要があるなど、大がかりなシステムになってしまいがちでした。

このM-9システムは、2台のワイヤレストランスミッターを1台で受信できるレシーバーのシステム。カメラには小さなレシーバーを1つつなぐだけでよく、2系統のワイヤレスマイクの音声が同時に収録できます。日本の電波法の認可が下りれば、6万円前後で発売したいとのことです。同種の業務用モデルの1/3以下の値段で購入できる、頼もしいワイヤレス音声システムの登場となりそうです。

  • 左2つが音声を飛ばすトランスミッターで、右が2波を受信するレシーバー。どれも、タバコの箱よりも少し小さいくらいのサイズで、単3形乾電池2本で駆動する。デザインは、某社の業務用ワイヤレスマイクにそっくりなのがご愛嬌といえる

(写真・文/吉村永)