「LG V30S ThinQ」の場合、AIプラットフォームの「ThinQ」はクラウドAIのGoogleアシスタントと同居する“オンデバイスのAI”として理解すればよいと思います。LG製スマート家電の操作はGoogleアシスタントで操作を呼び出して、Google Homeアプリを中軸としてホームネットワークに接続されている機器を音声、またはすまほアプリから操作できます。

  • 撮影した被写体に関連する情報を検索、内容によってはオンラインショッピングにまで一気につなぐAI機能が特徴

オンデバイスのAIであるThinQは、例えば高精細な写真撮影のために、あるいはボイスコマンドで写真撮影のリモコンシャッターを切ったりする時に登場します。写真・動画撮影は端末を使い込むほどにユーザーの使いこなしのクセ、ルーチンを覚えて、よりキレイな写真が手軽に撮れるようになります。

撮影時・撮影後の写真データをThinQが解析して、画像に関連した情報の検索やショッピングに活用できる機能も新たに追加されます。「Vision Search」は写真の中のオブジェクト(料理や洋服など)の情報を解析して、その料理が美味しいレストラン、友だちが来ているセンスの良い服が売っていたショップなどがWebから手早く検索できます。「Vision Shopping」も写真に関連する情報検索機能を応用して、Amazon/Naver/Alibabaなどのオンラインコマースのサイトから直接買えるサービスまで提供するというものになります。

AIが写真撮影時に活躍するもう一つの機能が「Smart Cam」です。こちらは被写体のオブジェクトや撮影環境に合わせて、全部で8つの撮影モードから最適なものをスマホが自動選択してくれるという機能。撮影時の色合いや明るさを自動調節してくれる、いわゆる“おまかせ撮影モード”のような機能との違いは、人物や果物、料理などオブジェクトも判別して撮影モード自体をダイナミックに切り替えつつ、ユーザーが過去に似たような被写体を撮影していた場合は、その時の履歴を振り返りながらよりクオリティの高い写真に仕上げてくれる機械学習機能にあります。

グローバルモデル「LG V30」もThinQに対応予定

ThinQの音声認識は、自然な言語発話や複数の単語・音節を含むフレーズも的確に素速く認識できることが特徴。LG製スマート家電機器の操作についてはグーグルの開発チームと密接に手を組んで、GoogleアシスタントによるコマンドとThinQプラットフォームのスムーズな連携を実現しているそうです。なおThinQが対応しているボイスコマンドの言語、スマート家電の製品名などについては本日時点では明らかにされていません。LGのスマートテレビについては対応機器に含まれていないようです。

なおグローバルモデルの「LG V30」についてはカメラまわりなどThinQに関わるAI機能の一部がソフトウェアアップデートによって追加される予定です。時期については明言されなかったものの「ThinQによるAI体験の窓口を広げること」が狙いとのこと。日本ではThinQの対応自体が見えていませんが、現在auとドコモから発売されているLG V30+にもアップデートがあるのでしょうか。今後の動向に要注目です。