こうした背景やプレミアムフライデー開始から1年という節目もあって、2月23日に多くの企業でイベントが行われた。そのうちのひとつがサントリービール。同社はTSUTAYAを運営するCCCとタイアップし、2月23日からある施策を開始した。それは毎週金曜日にTSUTAYAの店頭で「ザ・プレミアムモルツ」(以下、プレモル)を掲示すると、旧作DVDが無料になるというもの(上限200円)。

これにはサントリービールとCCCそれぞれにメリットがある。サントリービール プレミアム戦略部 豊島孝郎氏によると、金曜日はビールの売り上げが伸びるそうだ。明確な統計はないが、月曜日~木曜日までは“第3のビール”で晩酌を経済的に済ませ、金曜日には少し贅沢なビールを手に取るというストーリーが考えられる。豊島氏は「金曜日にCMを多く打つ戦略を採っています」と話す。また、「プレミアムフライデーの日にどこかでポスターなどをみて、同じ“プレミアム”という文字を含んだプレモルを手にとってもらいやすくなるかもしれません」(豊島氏)と笑みをこぼす。

プレ金を利用したライフスタイルの提案

  • 左:TSUTAYAに提示されているプレモルとのキャンペーン告知。右:カウンターでプレモルを提示すれば旧作は無料だ

一方、CCCはホームエンターテインメントの加速が期待できる。ずいぶんと前に「カウチポテト」という言葉が聞かれたが、これは長イスなどでくつろぎながらポテトを食べビデオやテレビを楽しむライフスタイル。このカウチポテトという言葉は死語となってしまったが、こうした習慣を根付かせるのにレンタルDVD・BDとポテト、そしてビールという組み合わせを提案できる。

これは私見だが、ワインとチーズ、そしてDVD・BDという取り合わせも悪くないと思った。映画は約2時間だ。お酒に強い人なら、そのくらいの時間でワインボトルを飲みきってしまう。