日本における企業のブランド価値が、国際的に輝きを失い始めているといわれている。だが、高度経済成長やバブル景気で、価値を高めたブランドがそうそう廃るわけではない。 では、日本における強いブランドとは何か、日本最大のブランドコンサルタント企業であるインターブランドジャパンが発表したデータをチェックしてみよう。
まず、グローバルなブランドでは圧倒的に強いのがアップル。次いでグーグル、マイクロソフトと続く。残念ながら日本ブランドはトップ5には入ってこない。トヨタが唯一、トップ10にランクインしているぐらいだ。これは、バブル崩壊およびリーマンショックと立て続けに景気減衰の事象が起きたのが大きい。リーマンショックは全世界的に影響を与えたが、グローバル企業はその荒波を乗り越え業績をアップさせた。日本企業はもたついている感じすら受けるが、緩やかな景気回復基調に入っているそうだ。
とはいえ、中国に抜かれたとはいえ、2017年のGDPは3位という経済大国だ。底力のある企業が多いことは間違いない。
こうした企業の活動を支えているのが、それぞれが持つブランド力だ。いいかえると、ブランドの価値が企業の業績を大きく左右しているといってよい。
では、日本企業においてグローバルで強いブランドとは何か。まず、インターブランドがこ発表した日本のベスト・グローバル・ブランド価値のランキングは以下のとおり。
クルマメーカーのブランド力が強い日本
1位:トヨタ、2位:ホンダ、3位:ニッサン、4位:キヤノン、5位:ソニーとなっている。トヨタに関しては、インターブランドが国内の調査を開始した10年前から1位を保っているそうだ。ちなみにブランド価値は、財務データ、消費者の選択行動への影響具合、ブランドによって得られる利益、基本的にこの3つのデータを掛け合わせて算出しているのだそうだ。
なお、日本のベスト・グローバル・ブランド価値トップ40は下表のとおり。
順位 | ブランド名 | 順位 | ブランド名 |
---|---|---|---|
1 | トヨタ | 21 | ダイキン |
2 | ホンダ | 22 | シマノ |
3 | ニッサン | 23 | ユニチャーム |
4 | キヤノン | 24 | 日立 |
5 | ソニー | 25 | アシックス |
6 | MUFG | 26 | 三菱電機 |
7 | パナソニック | 27 | ヤマハ |
8 | ユニクロ | 28 | デンソー |
9 | スバル | 29 | ニコン |
10 | 任天堂 | 30 | リコー |
11 | レクサス | 31 | ヤクルト |
12 | SMFG | 32 | 野村ホールディングス |
13 | ブリヂストン | 33 | 富士通 |
14 | みずほ | 34 | 味の素 |
15 | 東京海上 | 35 | キッコーマン |
16 | マツダ | 36 | エプソン |
17 | スズキ | 37 | イスズ |
18 | 資生堂 | 38 | クボタ |
19 | コマツ | 39 | オムロン |
20 | MUJI(無印良品) | 40 | オリンパス |
ランキングは上記のとおりだが、成長率が高かったのは任天堂(前年比21%)、スバル(同12%)、ヤマハ(同11%)、クボタ(同10%)、味の素(同10%)となっている。SMFG、みずほ、オムロンが新顔だが、前者2つは後述するベスト・ドメスティック・ブランドからの移行。グローバルでの売り上げが一定以上の水準になったため、グローバル・ブランドのランキングに移行された。