5Gの今後を見据える上で注目される2つのイベントとは

そして今年、5Gの動向を見据える上で重要なイベントは2つある。1つは2月26日からスペイン・バルセロナで開催される、世界最大の携帯電話見本市イベント「Mobile World Congress」(MWC)だ。昨年もMWCでは多くの企業が5Gに関する展示を積極的に実施していたし、22社が3GPPに対して5Gの仕様早期策定を促したのも、このイベントに合わせてなされたものだ。

そうしたことから今年も、MWCでは5Gに関する展示が一層増えると考えられる。例えばスマートフォン型の5G端末が発表されるなど、より現実的な形で5Gのデバイスが登場したりすることもあるかもしれないだけに、MWCでの各社の展示には期待が持たれるところだ。

そしてもう1つ注目すべきは、2月9日より実施される平昌冬季五輪である。なぜスポーツイベントである平昌五輪に注目すべきなのかというと、その開催国である韓国が、日本同様5Gの早期展開に最も力を入れている国の1つだからだ。

しかもスマートフォン世界最大手のサムスン電子が、五輪の最高位スポンサーとなっているほか、韓国大手キャリアのKTも、平昌五輪のスポンサー顔を連ねている。そして両社は平昌五輪に向け5Gの試験サービスを実施するとの報道がなされており、平昌五輪に合わせて韓国で5Gに関する展示やアピールが積極的に実施されると考えられるのだ。

仕様策定に目途が立った今後、世界的に5Gに対する機運は高まってくるものと考えられるが、その前哨戦として2月に実施される2つのイベントには、大きな注目が集まることとなりそうだ。2020年の商用サービス化を占う上でも、今年は5Gから目が離せない年になるだろう。

  • スマートフォン最大手の韓国サムスン電子は五輪の最高位のスポンサーだけに、平昌五輪では5Gに関する技術の積極的なアピールをするものと考えられる