iOS 11では、いくつかの操作方法の変更が加えられている。発表された6月にはまだその存在が噂レベルだったホームボタンがないiPhone Xと、ホームボタンがある既存のiPhone、新機種となったiPhone 8シリーズとの整合性を図るべく、インターフェイスが再設計されたのだ。
iPhone Xを使ってみて、iPhone Xの画面下縁のスワイプをホームボタン代わりするのは、iOS 11を導入したiPadが採用するDockや、Dockをさらに上にスワイプすることで現れるマルチタスクメニューと、整合性が取れていると感じた。
コントロールセンターの刷新については既に本連載で触れたが、気づいたことがあるので少し指摘しておこうと思う。iPhone 8やiPadでは画面下縁から上へのスワイプだが、iPhone Xでは画面にせり出すセンサーハウジングの右側を短く下にスワイプすることでコントロールセンターが表示される。
個人的には、iPhone Xでも、画面下縁から上へのスワイプにコントロールセンター呼び出しの動作を与えて良かったのではないか、と感じていた。というのも、コントロールセンターは利用頻度が高いにも関わらず、iPhone Xだと(少なくとも筆者は)絶対に片手で呼び出すことができなくなってしまったからだ。
iPhone Xは前述のように、画面下縁付近の操作でホーム画面に戻ったり、マルチタスクメニューを呼び出す。また多くのアプリは画面下部にタブが用意されており、やはり端末の下方を握った方が使いやすいと言える。ところが、iPhone Xの下方を握ると、画面上部には親指が届かなくなってしまう。握り直したり反対の手を使うことになるが、カスタマイズ性を向上させたことで、より使用頻度が高くなるであろうコントロールセンターを手軽に呼び出せないという状況は、改善の余地があるのではなかろうか。