世界第4位の中国メーカーが日本参入か

最後に、今年の日本のスマートフォン市場に大きな変化をもたらす可能性が高いと見られるのが、中国メーカーの動向である。確かにここ数年来、特にSIMフリースマートフォン市場の開拓が進んで以降、中国のスマートフォンメーカーは躍進を続けているというのは多くの人がご存じの通りだ。

実際ファーウェイは、フラッグシップモデルから低価格モデルまで幅広いラインアップを揃えることで販売を拡大。昨年にはSIMフリー市場でのトップシェアを確固なものとしている。またZTEは、NTTドコモとの協業によって「MONO」「M」などの製造を受けることでキャリア向けのスマートフォン製造を手掛けるようになり、販売を大きく伸ばしたと見られている。

そして今年注目される動向の1つは、ファーウェイがキャリア向け市場に進出できるかどうかである。というのも昨年、ファーウェイの関係者に取材した際、SIMフリーに限らず幅広い市場開拓を進める旨の発言や、今年発売される新機種でより日本人に適したモデルを提供する旨の発言を何度か耳にしているからだ。

ファーウェイはWi-Fiルーターなどでキャリアとの接点は以前から持っているし、国内でもSIMフリー市場で大きな実績を収めている。さらに昨年末に発売されたMate10 Proでは、耐水・防塵性能への対応も実現しており、日本向けで対応していない大きな機能はFeliCaのみという状況だ。裏を返せばそうした部分に対応できさえすれば、ファーウェイ製のスマートフォンが大手キャリアから登場しても何らおかしくない状況となっているだけに、今年それが実現するのかどうかは1つの注目ポイントとなるだろう。

  • ファーウェイのMate10 Plusの画像

    ファーウェイはMate10 Proで耐水・防塵性能対応を進めており、FeliCaにさえ対応すれば日本向け対応はほぼ済む。それだけに今年のキャリア市場進出が注目される

そしてもう1つは、新たな中国メーカーの日本市場参入だ。実は昨年11月頃、中国のスマートフォンメーカー大手であるOppoが、求人サイトに日本法人を設立し、スタッフを募集していることが明らかとなり、業界関係者の間で話題となったのである。Oppoは既に日本語のWebサイトも用意していることから、日本進出に向けて何らかの動きを見せていることは確かなようだ。

Oppoはファーウェイに次ぐ世界第4位のスマートフォンメーカーであり、性能はミドルからミドルハイクラスながらも、自分撮り用のインカメラの画質を向上させたり、急速充電機能を強化したりするなど、ユーザーニーズに徹底して答えたスマートフォンを提供して人気を獲得。さらに大規模なプロモーション展開などを実施することで、中国や新興国での販売を急拡大させている。

そのOppoがどのような形で日本市場進出を果たすのかは、現時点では分からない。だが世界規模で販売力を持つ企業だけに、市場に一定の影響を与える可能性は高いだろう。Oppoの進出、そしてそれによって日本市場にどのような変化がもたらされるのかに、注目しておくべきだろう。