今年も残すところあとわずかとなりました。マイナビニュースでは、今年も先端技術にまつわる情報を多数発信してきました。昨今、めまぐるしいスピードで時流が変化している中、分野ごとの話題を振り返ることで、この1年のハイライトをお目にかけられればと思います。

ここでは、マイナビニュースで2017年に掲載された「IoT分野」の記事の年間アクセスランキングトップ3をお届けします。

第3位 歴史的資料の「くずし字」をOCRでテキスト化

第3位は、「凸版印刷、くずし字で書かれた資料をOCRでテキスト化するビューアを開発」という記事でした。

凸版印刷が開発したWebビューア「ふみのは」は、江戸期以前のくずし字(ひらがな、カタカナ、漢字を崩して書いた手書き文字)で記されている古典籍の文字をOCRで判別して、テキストデータに変換することができるもの。現代のかなよりも字の形がばらつきがちなくずし字を、OCRで認識できる技術に注目が集まりました。

  • 「ふみのは」による表示サンプル。現代語訳、多言語訳を重ねて表示することも可能となっている。

    「ふみのは」による表示サンプル。現代語訳、多言語訳を重ねて表示することも可能となっている。(記事の一部より抜粋)

研究に有用な機能を持ちながら、HTMLやCSSなどの標準的なWeb技術のみで構成されているため、ビューア用のデータ制作後すぐに公開が可能となっているなど、軽快な取り回しも特徴です。難しい翻訳作業の自動化が加速しそうです。

第2位 IoT自転車「Mobike」、札幌で展開

つづいて第2位は、「IoT自転車シェアサービス「Mobike」、北海道・札幌市での展開を発表」という記事でした。

  • Mobikeのレンタル自転車も公開され、そのデザインも話題に

    Mobikeのレンタル自転車も公開され、そのデザインも話題に(記事の一部より抜粋)

中国で急成長した自転車のシェアリングサービス「Mobike」が北海道札幌市にて展開されると発表された際の会見記事が第2位でした。安価かつ「乗り捨て」が特徴という同サービスに関して、参入前に景観への悪影響が懸念される声も上がっていましたが、「日本ではそれを踏襲せずポートを設ける」など、国内展開の方針が会見の中で明らかにされました。

国内では先に発表された福岡県福岡市よりも先にサービスを開始しましたが、現在は冬期休業中。また春が訪れた際に本格稼働するかどうか、注目したいところです。

第1位 スマホでペットボトルのフタを

アクセスランキングトップは、「スマホでペットボトルのキャップを開けるシステム - 日本電産が開発」でした。

  • 第1位は、"カタい"あの企業が打ち出したやわらかいプロジェクト!

    第1位は、"カタい"あの企業が打ち出したやわらかいプロジェクト!(記事の一部より抜粋)

ペットボトルのフタが固くしまっていて開かない、というシチュエーションを、スマートにモーターの力で解決する画期的なデバイス……として紹介されたなぞのマシンが「SMART PET BOTTLE」です。マイナビニュースではこの記事の反響を受けて、後日実際にデバイスを見せてもらいました

これは、モーターメーカーの日本電産が展開している「Motorize」プロジェクトの初回作品で、これ以降も中華料理店のテーブルやキャップなど、いろいろなモノをモーターで、やたらスタイリッシュに「回す」ことにチャレンジしています。

以上、2017年のマイナビニュース「IoT分野」の年間アクセスランキングトップ3を紹介しました。

IoTというキーワードはこの1年で広く知れ渡り、IoTレンタルシェアサイクル「Mobike」をはじめ、商用サービスとしても徐々にかたちになって、生活のなかに入り込もうとしています。通信会社各社もIoT向けの通信サービスを本格展開している中、2018年のさらなる広がりに期待したいところです。