KDDIが11月20日から12月17日にかけ、仙台市の直営店舗「au SENDAI」で生体認証を利用した決済サービスの実証試験「au SENDAI × カンタンゆび決済キャンペーン」を実施中です。12月1日に訪問した同店舗での実証試験の様子を報告します。
実証試験は指紋とクレジットカードを事前に登録しておくことで、店頭での支払い時に指紋認証のみの「ゆび決済」でショッピングを可能にする内容。キャンペーンとして、参加者全員に200円分のポイントを付与します。
指紋認証にはKDDIが資本提携しているLiquidの独自の生体認証技術が用いられており、VISAやMasterCardブランドのクレジットカードはもちろん、au WALLETクレジットカードも利用可能。なお、成年のユーザーのみが参加対象となります。
ゆび決済は一度登録すれば期間中は何度でも使用でき、au SENDAI店舗内のほか、Liquidが指紋決済サービスを提供する全国の店舗で利用できます。
Liquidの生体認証では、独自開発による高速照合技術が用いられており、パスワードとしての生体認証にとどまらず認証媒体を不要とした生体認証が可能となっています。
具体的には、例えばショッピングの際には現金が不要となり、クレジットカードを利用する場合もカードもサインも両方とも要らなくなります。海外でホテルにチェックインする際にはパスポートを提示しなくて済み、銀行のATMではキャッシュカードなしで現金が引き出せます。
Liquidの高速照合技術は指紋画像そのものは記録せず、指紋の特徴のみを抽出して暗号化して記録します。万が一サーバ内の情報が漏洩しても、指紋そのものの再現は非常に困難な仕組みなのです。
記録した特徴は画像認識技術と機械学習を利用したビッグデータ解析によって、高速処理できるようになっており、従来の登録者が増えれば増えるほど照合に時間を取るシステムとの大きな差別点になっています。
実際に店頭のカウンターでタブレットを使って本人確認サービスの「PASS」に登録し、支払いまで体験してみました。
登録は利用規約の確認から始まり、電話番号、PINコード、生年月日の入力のあと、人差し指と中指をそれぞれ3回ずつ計6回登録。指紋のスキャンは瞬時に終わりました。クレジットカード情報はスマートフォン上で登録します。
支払い体験には、ゆび決済に対応する店内1階のカフェを利用しました。商品を選んでゆび決済を利用すると伝え、提示される指紋認証センサーに指を当てるだけ。めちゃめちゃカンタンです!
事実上、手ぶらで買い物できるわけで、このシステムが普及した世界を想像すると実に便利そうです。自動改札機は指を触れるだけになり、定期券やSuicaを忘れて電車に乗れないこともなくなるでしょう。財布を忘れて食事してしまい、皿洗いを申し出るなどというネタも、意味が分からなくなるのかもしれません。
支払いはあまりにカンタンで、クレジットカードを利用するとき以上に心のハードルが低い印象を受けました。意図せぬ指の接触で望まぬ買い物をしてしまわぬよう、支払い明細の確認には敏感になりそうです。
キャンペーンは17日(日)まで。仙台近郊に行く予定のある人は、未来感溢れるゆび決済をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。