ソフトバンクが11月30日に開催した「Y!mobile」(ワイモバイル)の発表会では、12月からの「学割」を発表。大手キャリアのサブブランドを含めた格安スマホ市場でシェアNo.1を誇るワイモバイルによる先制攻撃が始まった。

年々スマホデビューが低年齢化する中で、ワイモバイルは子どもが安心してスマホを利用できる環境作りにも取り組む。その狙いはどこにあるのだろうか。

  • ワイモバイルは「学割」を12月から開始する

中学生のスマホデビューは3年前の2倍に

スマホの「学割」は、春の入学や進級シーズンに向けたキャンペーンとして、年明けに発表される風物詩となっていた。だがワイモバイルは12月から半年間に渡って展開。5〜18歳を対象に、次の機種変更まで続く「データ容量2倍」や3か月の基本料無料を提供する。

なぜ12月に前倒しするのか。ワイモバイル事業を統括するソフトバンク執行役員の寺尾 洋幸氏は、「早く始めればそれだけ話題になるだろう、という仮説を立てた」と飄々と語る。実際に数が出るのは3月になると予想するものの、他社に先んじたプロモーションにより若年層からの認知度も高める狙いもあるという。

  • 囲み取材に応じるソフトバンク 執行役員 プロダクト&マーケティング統括 Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾 洋幸氏

背景には「スマホデビュー」の低年齢化もある。ワイモバイルの調査では中学1年生の39%がスマホを保有しており、3年前と比べて2倍に増えている。子どもにスマホを持たせるかどうかではなく、「親御さんは、スマホを買うこと自体は決めている」と寺尾氏は指摘する。

学割と併せて発表した新端末として、中〜低価格帯の「Android One」スマホが4機種登場した。ベーシックな端末が中心だが、グーグルがアップデートを保証するため安全性が高いことが特徴になる。

安価なAndroid端末ならMVNOという選択肢もあるが、ワイモバイルはiPhoneを取り扱えるという強みもある。学生に人気だった小型の「iPhone 5s」や「iPhone SE」に加え、10月には4.7インチの「iPhone 6s」も発売したことで、「クラスの仲間と同じiPhoneを使いたい」若年層に訴求しそうだ。

  • iPhone SEに加え、10月からは「iPhone 6s」も取り扱う