誰もがスマートフォンを利用する時代となった今、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアではなく、MVNO(格安SIM)ブランドを選択するユーザーも増えてきています。本稿では、格安SIMを利用しているマイナビニュース会員を対象にアンケートを実施。スマートフォンのユーザーが格安SIMブランドに求めるものを確認して、モバイルのこれからを考察していきます。
魅力的な料金プランを用意する楽天モバイルがトップ
アンケートでは、「Q1:スマートフォンをお持ちですか」と「Q2:格安SIMスマホを利用していますか」で「はい」と答えたマイナビニュース会員に対して格安SIMに関する3つの質問を用意。まずは「メインで使用している格安SIMブランドはどちらですか」で、ユーザーが契約している格安SIMブランドをチェックしました。
- 楽天モバイル: 26.7%
- OCN モバイル ONE: 8.3%
- IIJmio: 7.2%
- mineo: 8.5%
- FREETEL SIM: 5.7%
- nuroモバイル: 2.3%
- LINEモバイル: 3.4%
- エキサイトモバイル: 0.6%
- BIGLOBEモバイル: 5.9%
- トーンモバイル: 2.3%
- DTI SIM: 0.8%
- イオンモバイル: 6.4%
- NifMo: 1.7%
- BIC SIM: 3.0%
- DMM mobile: 6.4%
- b-mobile: 0.9%
- U-mobile: 3.2%
- その他 (自由回答): 6.6%
回答は楽天モバイルが26.7%でダントツ、続いてmineo8.5%、OCN モバイル ONE8.3%、IIJmio7.2%という結果となりました。近年の格安SIMサービスシェア上位の事業者が並んでいるため妥当な結果ともいえますが、楽天モバイルの28.8%はやはり驚きです。楽天モバイルの新プラン「スーパーホーダイ」は、当月の高速データ通信容量を使い切っても最大1Mbpsの通信速度で利用できるのが特徴。リーズナブルな料金で、ある程度の速度が出るデータ通信を無制限に使えるのは注目すべきメリットとなります。
その後の質問項目でも明らかになりますが、格安SIMユーザーが注目している一番のポイントは料金プランです("格安"なので当然ともいえますが)。楽天モバイルの料金プランは、楽天会員ならばよりお得になるオプションが用意されており、楽天会員ランクが高いほどおトクになります。このため、楽天のサービスを頻繁に使っているユーザーが格安SIMを使う場合は、楽天モバイルを選ぶメリットが高くなります。こういった要素が、今回のアンケート結果に影響を与えていると考えられます。
料金プランには満足、通信速度には不満のユーザーが多い
続いて、「現在使われているブランドについて、最も気に入っているところを教えてください」と「現在使われているブランドについて、最も不満なところを教えてください」の2つの質問で、ユーザーが何を基準に格安SIMブランドを評価しているのかをチェックしてみました。
- 料金プラン: 72.3%
- 通信速度: 5.9%
- ユーザーサポートなどのサービス: 4.0%
- ブランドへの信頼: 8.3%
- その他(自由回答): 2.1%
- 特になし: 7.4%
- 料金プラン: 9.1%
- 通信速度: 37.5%
- ユーザーサポートなどのサービス: 8.9%
- ブランドへの信頼: 5.5%
- その他(自由回答): 4.2%
- 特になし: 34.8%
利用している格安SIMブランドでもっとも気に入っているのは「料金プラン」で72.3%と圧倒的です。3大キャリアの月額料金に不満を感じるユーザーが格安SIMへと移行している流れからすると妥当な結果といえるでしょう。また、利用している格安SIMでもっとも不満なところという質問では「料金プラン」は9.1%に留まっており、格安SIMサービスの通信・通話料金は多くのユーザーに評価されているといえます。Q3でトップの楽天モバイルの「スーパーホーダイ」は先に書きましたが、上位を占めるmineo、OCN モバイル ONE、IIJmioも、リーズナブルな通信・通話プランを用意しています。
また、「通信速度」に関しては、もっとも気に入っていると答えたユーザーが5.9%、もっとも不満なところと答えたユーザーが37.5%と、格安SIMユーザーの多くは通信速度には満足していない結果になりました。3大キャリアとの速度差はやはり大きく、格安SIMに移行したユーザーのほとんどが多かれ少なかれ通信速度に不満をいだいているのは当然です。格安SIMの通信速度はユーザーが気軽に比較できるものではなく、利用する場所(同じサービスを使用しているユーザー数)や時間帯によっても大きく変化するため、一概にどのブランドがよいのかは判断できません。このため、先にも述べた楽天モバイルの「スーパーホーダイ」のように、ある程度の速度を無制限に利用できるプランが用意された格安SIMブランドが注目されていると考えられます。
今後の注目は「ブランド力」
このほか注目したい傾向としては、多くのユーザーは「ブランドへの信頼」に対して不満を持っていないことがあげられます。Q3の上位に並ぶ事業者は、すでに格安SIMブランドとして多くのユーザーに認知されていることがうかがえ、現在伸び悩んでいる事業者や、今後参入してくる事業者はブランド力の浸透に苦労させられるかもしれません。
今回のアンケートで26.7%が利用している結果となった楽天モバイルは、同質問で5.7%が利用していると答えたFREETEL SIMを買収しており、合計すると32.4%となります。増加の一途を辿っている格安SIMブランドの統合は今後も行われる可能性が高く、料金プランがいきなり変わってしまうことも考えられます。料金プランや通信速度はもちろん重要ですが、今後は安定したサービス提供が期待できる"ブランド力"も大きな選択基準となるのではないでしょうか。
調査時期: 2017年11月7日~13日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女528名
調査方法: インターネットログイン式アンケート