NTTデータは、シャープ、NTTデータSBCと共同で、AI技術(ディープラーニング)を活用した、ロボホン向け手話通訳アプリケーションを開発したことを発表した。

ロボホン向け手話通訳アプリケーションの想定シーン

聴覚障がい者は、世界で約3億6000万人、日本国内では軽度な人を含めて数百万人おり、そのうち国内の手話が必要な約32万人は、コミュニケーション手段や方法、介助費用の面からも新たな手段が必要となっている。特に生活面では、手話通訳者が近くにいないなどの不便を感じており、また健聴者が手話を学ぶ環境が少ないという課題もある。

こうした背景から、NTTデータ社内においてロボホン向けアプリ開発コンテストを開催。このコンテストにおいて、手話通訳アプリケーションを提案したロボホンが最優秀賞を受賞した。それが契機となり、NTTデータ、NTTデータSBC、シャープが共同で本格的にアプリケーションを開発することになった。

ロボホンとのコミュニケーション方法として、「聴覚障がい者から健聴者への伝達」では、ロボホンがAI技術で聴覚障がい者の手話の動きを認識・分析して、手話の意味する単語を日本語で発話するとともに、その内容を外部デバイス(スマートフォン等)に表示する。一方、「健聴者から聴覚障がい者への伝達」では、ロボホンが健聴者の発話を認識して、その内容を外部デバイスに表示する。

また、手話の認識範囲は現在、日本語対応手話の1種類のみを認識するが、今後は国際手話など認識できる種類の増加を予定しているという。

利用想定シーンとして、現段階では手話初学者の手話練習、単語レベルでの意思伝達交換、将来的には一連の手話を認識し簡単な会話での意思伝達交換や、行政や企業の窓口応対での活用を視野に、さまざまな場面で手話通訳が円滑に行われるように1日でも早い実用化を目指すとしている。