技術的でコアな話も

続いてIIJの木野純武氏より「DSDSと着信シークエンスについて」というテーマで発表があった。DSDSは「Dual SIM-Dual Standby」の頭文字で、要するに2枚のSIMを入れて両方同時に待ち受けのできる端末を指す。日本でもSIMフリー端末を中心にDSDS対応端末が増えてきているが、技術的な側面からその仕組みや着信時の動作について解説する内容だ。

木野氏はIIJに入社してまだ1年ちょっと。前職はネットワーク機器関連の仕事をされていたとのこと

こちらも詳細についてはスライドをご覧いただいたほうが早いが、通信の仕組みについての内容なだけにかなりの上級者向けで、かつ非常に濃厚。こうした内容が飛び出してきてしまい、そして聴講者がそれについていけているあたりがIIJらしいなあ、という感じであった。

DSDS端末は受信設備も2種類搭載しているとのこと。理論上はよりたくさんのSIMを搭載できるMSMS(Multi SIM-Multi Standby)も可能だが需要は少ないだろう

ユーザーとMVNOの接点になる貴重なイベント

最後には参加者へのプレゼント(SIMフリー端末3台)の抽選会と、ネット中継を見ていた視聴者からTwitter越しに寄せられた140問以上の質問に即答するフリートークを行ってイベントは終了した。休憩を挟んで約4時間の長丁場となった。

Twitterからの質問は実に143問も。実際には複数をまとめて回答したりしたため、スライド95枚で終わったが、1問あたり10秒~数十秒程度でザクザクと回答していく様はお見事の一言

トークイベントと並行して相談窓口や展示会も行われている。今回はVAIOとファーウェイがそれぞれの端末を展示していた

競争が非常に激しいMVNO業界だが、今年から来年にかけてはMVNO再編の年と見る向きもある。そんな中、各社とも生き残りをかけてさまざまな施策をとっているが、ユーザーとのコミュニケーションに力を入れているところは数少ない。こうした、決して儲からないイベントであっても、ユーザーとの接点を大事にするところに「頑張ってほしい」と思うのは筆者だけではないだろう。

IIJmio meetingは、ユーザーとMVNOのスタッフが本音を交換できる貴重な機会であり、また技術力でトップクラスであるIIJの「濃さ」を濃密に味わえる、マニア筋にとっても垂涎モノのイベントと言えるだろう。

次回開催は1月の予定となっているが、まだ参加したことのない方も、ぜひ一度参加してみてはいかがだろうか。また、東京開催回についてはネット中継も行われているので、遠方の方もその雰囲気の一端だけでも味わってみてほしい。