MVNOに関する法律や制度を知る

続いてIIJ公式Twitterアカウントの「中の人」として知られ、堂前氏とともにIIJファンにはお馴染みとなっている、ネットワーク本部技術企画室の佐々木太志氏が登場。「MVNOの制度について」と題し、MVNOと関連する諸法律・制度の紹介があった。

堂前氏とのコンビでイベントに出席したり、技術的な記事の執筆等で露出が多い佐々木氏。IIJファンにはお馴染みだろう

IIJの公式ブログでスライドが公開されているので、詳細はそちらをご覧いただきたいが、しばしばMVNOのニュースで話題になる「総務省のガイドライン」とは、「法律」→「政令」→「省令」→「ガイドライン」と、法律関係の中ではもっとも下位に位置付けられるものであることや、MVNOの法律的な定義、キャリアとMVNOの関係として「卸電気通信役務」と「事業者間接続」の違いについてなどが紹介された。

個人的に昨年は原稿に書く機会が非常に多かった「総務省のガイドライン」だが、位置付けとしては省令よりも下ながら、関連する業界にとっては非常に重い位置付けとなるようだ

面白かったのは「卸電気通信役務」と「事業者間接続」の違いだ。できることはほぼ同じだが、料金の設定権がMNOとMVNOのどちらにあるかが異なったり、事業者間接続の場合は接続約款に契約が縛られるが、卸電気通信役務では標準プラン以外の契約も可能であるなど、細かな違いがあるということなどが紹介されていた。

ユーザーにはあまり関係のない話題ではあるが、MVNOの運営に関わる法令や制度が体系的にまとめられることはほとんどないため、貴重な機会になったのではないだろうか。