バッテリーとワイヤレス再生機能がさらに向上した

アコースティックな音響性能だが、スペック的には旧モデルとほぼ変わらないようだ。40mm口径のCCAWボイスコイルを搭載するドーム型ドライバーを載せており、有線接続での再生時には40kHzまでの帯域をカバーする。

バッテリーの持続時間については性能が上がった。ワイヤレス再生/NC機能ON時で比べるとMDR-1000Xが20時間、WH-1000XM2が30時間になる。負け惜しみで言うわけではないが、現行のMDR-1000Xも、国際線の飛行機で片道を充電なしで渡りきれるほどの高いバッテリーパフォーマンスを備えていることは強調しておきたい。

スペック上の違いはBluetooth再生のオーディオコーデックにもある。新機種のWH-1000XM2は、48kHz/24bit相当のワイヤレス伝送に対応するクアルコムのaptX HDにもサポートを広げた。秋に発売されるウォークマンの新機種や、スマホの「Xperia XZ1」など、他のソニー製品にもaptX HD対応の輪が拡大しているので、それらとの連携を考えれば何かと重宝する機能だ。ただし、送り出し側がLDACをサポートしているのであれば、96kHz/24bit相当までワイヤレスで伝送できることを覚えておきたい。

CDリッピング、音楽ストリーミングサービスのコンテンツなどをハイレゾ相当にまでアップコンバートする「DSEE HX」は、新モデルにも継承されている。ひとつ注意したいのは、MDR-1000XではAACやSBCだけでなくaptX接続時にも効果がかかる仕様だったのが、WH-1000XM2ではaptX HDやaptX接続時のDSEE HXは無効になった。また新モデルでは、オーディオコーデックの切り替えがアプリから設定できるようになっている。これについては後述する。

気圧状態も測定する飛行機でうれしい「パーソナルNCオプティマイザー」

新モデルで強化された「パーソナルNCオプティマイザー」についても触れておこう。現行モデルではユーザーの頭や耳の形、髪型など装着状態によって生まれる誤差を自動で補正してノイズキャンセリングの効果を最大化する機能だったが、新しいWH-1000XM2では加えて「気圧状態」も測定する。飛行機に乗りながらヘッドホンを使うことが多い人にうれしいポイントだ。

アプリ「Sony Headphones Connect」の画面 アプリ「Sony Headphones Connect」で気圧状態に最適化

WH-1000XM2の「パーソナルNCオプティマイザー」はヘッドホンの装着状態に加えて気圧の状態にも最適化できるようになった。画像はアプリ「Sony Headphones Connect」の画面だが、アプリの詳細な機能は次のページで紹介する