--インドで設置が進んでいるといっても、全土をカバーするというよりも、都市部にピンポイントで設置、という感じに近かったと思うのですが

Rogan氏:私が聞いた数字では、LTEを使えている人数が4000万人だそうです。インドの人口が13億人ほどといわれていることを考えると、全然足りていない。数か月前までは、とにかく端末を普及させようということで無償プランを提供するなんて事もやってました。

--また、中国は4Gの後に4.5Gを挟まずに5Gに向けて突進している感じが見受けられます。その他の国は様子見という感じでしょうか?

Rogan氏:そのため、この後がどうなるのか、という見極めが難しいのです。5Gで、どういったアプリケーションやるのか? というと、例えば養殖物の監視といったものが挙げられます。プローブを海に浮かべて、水温その他の情報を得るというものですね。あるいは動物の監視とか。ただこれで5Gが本当に必要なのか? という思いはあります。おそらく5Gが最初に目指していたものはまた違っていたと思うんです。

もう少し現実に近いものだと、ドローン向けもあるかと思います。これは、まだビジネスモデルなどがはっきりしない部分もあるのですが、ドローンは言ってみればプロペラ付の携帯電話みたいなものなので、何とかなるのではないかとという気はしています。

つまりキャリアが具体的なビジネスを想定できない中で、ハードウェアのサプライヤはどうやってそこに向けたモノを生み出すのか。これはチャレンジだと思っています。

4Gまでであれば、日本では、キャリアが仕様を決めて、メーカーはそれに合わせた物を作っていました。外部からこういう仕様の製品があります、という話がきても、「ウチの仕様にあわせてもらいたい」とキャリアがそれを撥ねていた時代です。しかし、今は根本的に変わってきていて、キャリア自身がサプライヤに対して「我々だけを目指すな」と言ってるというのですね。

--自動車メーカーと同じ事を言うようになりましたね。では話を戻すと、昨年度の第4四半期が不調だったのは、このあたりの転換期もあってコミュニケーションが落ち込んだためであると

Rogan氏:下がっている理由はコミュニケーションの不調によりますね。今年度の第1四半期は、インダストリアルとオートモーティブが伸びた事で、それをカバーしたということです。そうした分野でも技術的に(FPGAを使えると)想像できるところにはすでに入っているのですが、さらにテクノロジーの端のところでも使っていただけるようになった。もちろん自動運転は一番話題になりやすく、現在はインフォテイメントやADAS関連のステレオカメラ/サラウンドビュー、あとはセンサフュージョンでLiDARやレーダーの統合とかもあります。次世代としては、はオブジェクト認識や人認識、車の中のモーションセンサやDMT(Driver Motion Tracker)なども考えられます。

--自動運転もレベル3以上になると、ドライバーを監視して注意散漫になってたら警告を出すとか自動運転を止めるとか、色々オプションついてきましたね

Rogan:例えば車の制御を車からドライバーに返すときに、ドライバーがどこを見ているのかなどを確認して、安全に車の制御をドライバーに返せるようにするアプリケーションとかも必要とされています。