重岡氏はGZE-1のデザインについて、次のように語る。

「GZE-1のデザインは、G-SHOCKにそっくりだと感じた方もいらっしゃるでしょう。しかし、私たちはG-SHOCKのデザインでカメラを作ろうとしたわけではありません。とにかく頑丈な、世界最強のタフネスカメラを目指して開発した結果、このデザインになったのです」(重岡氏)。

カシオ計算機 営業本部 戦略統括部 コンシューマ戦略部長 重岡正之氏

中身がカメラである以上、G-SHOCKとまったく同じ構造にすることはできない。しかし、その設計思想はG-SHOCKと共通であり、G-SHOCKで培われたノウハウが凝縮されているという。

重岡氏「たとえば、落下時にレンズやボタンが地面にぶつからないプロテクト形状。これは『全方向カバリング構造』というもので、多くのG-SHOCKで採用されています。それらに加え、カメラならではの操作性を考慮して設計しました。本体を持ったとき、自然に指が来る場所にボタンを配置したり、モニターを廃したことで、LEDでカメラの状態やモードを示すといったUIなどです」

全方向カバリング構造

タフネス仕様についても、「マイクとスピーカーがありながら、櫛歯型パーツを組み込んだ特殊構造で、高い防水性能を維持できている」とし、「4mの高さからの落下強度(耐衝撃性)、50m防水、IP6Xの防塵性能、-10度の耐低温動作というスペックは、従来のデジタルカメラの常識を覆すレベル」と語った。

櫛歯型防波構造

「デジタルカメラの常識を覆す」驚愕のスペック

なお、重岡氏によれば、GZE-1は「動画撮影を主用途としたカメラ」を想定しているという。これを象徴する機能が「ドラマチックスロー撮影」に関する機能の充実ぶりだ。ドラマチックスローとは、通常は普通の動画ながら、印象的なシーンのみスロー再生となる動画(のカシオによる名称)。すでにカシオのデジタルカメラ「EXILIM」シリーズにも搭載されているが、G'z EYEではその撮影がより簡単になったという。

重岡「まず、PCやアプリで撮影後に編集する必要がありません。また、ドラマチックスロー専用の撮影モードにする必要もなく、普通に動画を撮影している最中にドラマチックスローボタンを押してやるだけで、その部分だけがスローになります。しかも、一本の動画の中で、何回でも自由にスローシーンを作ることができます」

スローシーンの起点も、「ボタンを押す前」「ボタンを押した前後」「ボタンを押した後」の3つから選択できる。連携するアプリにもドラマチックスローを使いやすくする表示モードがあり、このモードでは、画面に録画ボタンとドラマチックスローボタンだけが表示される。

ドラマチックスローの起点を選択できる

専用アプリはデザインやイメージを本体と統一している

ドラマチックスローの操作性を重視した「ノールックモード」

最大30fpsの高速連写も装備