これまでのファーウェイ、これからのファーウェイ

Jim Xu氏 : 今回はありがとうございます。最後に、ファーウェイが今日まで歩むことができ、今後どう歩んでいくのか、お話ししたいと思います。

我々が思うに技術は大切ですが、技術よりも大事なのはマネージメントと文化です。ファーウェイは設立30周年、創設者の任正非(レン・ツェンフェイ)は72歳になります。彼はこの30年間、一生懸命に働いて、我々を率いてきました。ファーウェイのもっとも重要な理念として掲げられているのが、カスタマーファースト、頑張る人に報いる文化です。

ファーウェイには18万人の社員がいますが、管理と文化に関しては、できるだけシンプルにしています。一番重要なのは、目の前の仕事をしっかりやることなんです。人間関係を複雑にしたり、学歴や資格で人を値踏みしたり、年功序列には、一番反対しています。やはり会社への貢献度を見ます。

創設者が明言しているルールがあるんです。本社の幹部が海外に出張するとき、現地の中国人幹部が勤務中に空港まで出迎えにくるようなことがあれば、すぐクビにすると。勤務時間中は、お客様のために働かなければいけないのです。創設者も1カ月の半分くらいは海外出張に行っていますが、飛行機はビジネスクラスで、ファーストクラスに乗るときは自腹でその分の料金を支払っています。

ファーウェイは1998年に、初めて海外市場へ進出しました。20年近く努力を続け、私自信も12年間の海外勤務経験を持っています。ファーウェイの本社は中国ですが、視野を広げて世界市場を見ています。世界の一流企業とパートナーシップを組んで、学ぶことを目標にしています。

20年前からIMBに学び、管理体制や社内フロー、仕事の効率化など、IBMの方法を導入しました。同様に、品質管理と品質試験を、ドイツテレコム、ボーダフォン、日本ではNTTドコモさんやKDDIさんを見習い、標準化、基本的なものにしてきました。20年間の蓄積を経て、我々の中に品質意識が深く根付いています。ファーウェイには、3人の社員が5人分の仕事をして、4人分の給料をもらうという言い方があるのですが、私たちはすごく楽しんで仕事をしています。

また今後についても、この世界で自信を持っています。ファーウェイは上場していないので、資本関係で影響を受けることがありません。一度決めた長期戦略、方向性が、簡単に揺らぐこともありません。消費者、お客様を第一として、できるだけ長く業界で生き残りたいと考えています。ファーウェイの成功は偶然ではなく、未来に向けても自信を持って一歩一歩しっかりと歩み進めていきたいと考えています。

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Jim Xu氏の語り口は、自信と謙虚さが印象的だった。品質と顧客を第一として、社員はお客のために働いて会社にも貢献、会社は一生懸命働いた社員に報いる。成長を続ける企業と社員の熱量というのは、このようなものなのだろう。当たり前に思えることだが、多くの日本企業とそこで働く一個人が、停滞の中で見失ってはいまいか。技術やスマートフォンの未来にわくわくしたのはもちろん、仕事や働くということを改めて考えさせられる取材であった。