トーンモバイルは前述した通り、子ども向けスマホにも力を入れている。子ども向け見守り機能「TONEファミリー」は、子どもの現在地の把握や、特定の場所への出入りの感知、歩数や活動量を共有することができる。
しかし、これはあくまで小学生の子どもを想定した見守りサービスであり、大人が使うことは想定されていない。シニアからは「見守られたいがプライバシーは守りたい」という要望があったため、「ゆるやか見守り」というサービスを開始したとのこと。
「ゆるやか見守り」では、アプリのインストール許可やパスコード管理など、子どもの見守りには欠かせない機能を無効にしている。また、現在地の表示は市区町村程度の広域なレベルにとどめてシニアのプライバシーを守る。家族は大まかな現在地や歩数などから普段の生活を送っているかどうかを知ることができる仕組みだ。こちらのサービスも10月3日から開始される。
NFCや紙の読み取りで簡単に利用できる施策も
また、11月よりNFCを使った「お知らせシール」を販売する予定だ。「お知らせシール」でできることは、「連絡」と「アプリ起動」。「連絡」はGPS情報をメールで送付したり、登録電話番号へ電話をかけることができる。「アプリ起動」はメールやLINE、Yahoo! JAPANなどのアプリを起動させることが可能だ。石田氏は「スマホごとタッチするという動作はシニアにとって非常にわかりやすいユーザーインターフェイスだ」と語り、すでに提供しているスマホの箱に置くだけでサポートが受けられる「置くだけサポート」は3万件の利用があると明かした。
また、最初につまづきやすいスマホの初期設定を簡単にする「らくらく初期設定」も10月18日より提供する。子ども向けサービスとして提供された「親子スマホの約束」と同様に、スマホの利用法を紙に記し、それをカメラで読み取ることでスマホの初期設定を行う。スマホを購入するとき、項目の説明を受けながら記入、設定するということも想定されている。
トーンモバイルは、「贈りスマホ」としてシニア世代へ30~40代のママ世代がスマホをプレゼントするキャンペーンを開始するという。格安スマホならではの低料金を生かし、スマホの料金を子どもが肩代わりする方式だ。安心してスマホをプレゼントできるように、スマホのサポート体制を手厚く用意したという。まだスマホ普及率の低いシニア層をターゲットとするトーンモバイルの今後に注目される。