若い世代のユーザー獲得に向け、スマートフォンアプリと連携する「Smile STAND」に力を入れるダイドードリンコ。新たにゲームアプリとの連携や、地域情報を発信する機能などを追加して強化を図るが、最大の狙いとなる若い世代からの支持を得て、自動販売機を取り巻く厳しい状況を巻き返すことはできるのだろうか。
情報配信やゲームアプリにも自動販売機を活用
清涼飲料メーカーのダイドードリンコは現在、未来型自販機「Smile STAND」の展開に力を入れている。これはスマートフォンの専用アプリとBluetoothで連携し、自動販売機で飲料を購入するとポイントが貯まるというものである。
同種の仕組みを採用する自動販売機は、日本コカ・コーラやキリンビバレッジも導入を進めるなどして最近増えつつあるものだ。だがSmile STANDがそれらと大きく異なるのは、自動販売機の中でサービスが完結しておらず、他のサービスとの連携を積極的に展開している点である。
実際Smile STANDで貯めたポイントは、単に自動販売機で飲料をもらうために用いるのではない。貯めたポイントの使い方は大きく2つ用意されており、1つは松坂牛やロボット掃除機など、さまざまな商品がもらえる抽選ができる「Smile SLOT」。そしてもう1つは、LINEのギフトコードや楽天スーパーポイント、あるいはオンラインゲーム用のポイントなどに交換できるというものだ。
Smile STANDは昨年の4月よりサービスを開始しており、今年2年目を迎える。そこでダイドーでは、Smile STANDに対して新たに2つの機能を追加し、利用拡大に向けた取り組みを進めるという。
1つは今年秋にリリースを予定している、「THE KING OF FIGHTERS D~DyDo Smile STAND」である。これはゲームベンダーのSNKと共同で開発したスマートフォン向けの格闘ゲームアプリ。Smile STANDと連動することにより、貯めたポイントを使って、ゲーム内のアイテムやキャラクターを手に入れることができるガチャを回すことができるのが最大の特長になる。
そしてもう1つは、9月4日より開始する「Smile Town Portal」というもの。これはSmile STANDでポイントを獲得した際、自動販売機周辺のさまざまな情報をスマートフォンに配信するもの。その第1弾として、リクルートライフスタイルの「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」に掲載されている、飲食店や美容院などの情報を配信するそうだが、今後は広告やクーポン、さらには地域情報の配信など、提供する情報の幅を広げ、新たな収入源にもつなげていきたいとしている。