確かに自動販売機とスマートフォンの連携にはまだ可能性があると感じるし、単なるポイントの獲得にとどまらない、Smile STANDの取り組みは非常に意欲的ではある。だが一方で、Smile STANDにはまだ課題も多くあるように感じる。1つは、Smile STANDの提供で30代の利用者は増えたものの、20代のアプリダウンロード数は「全体の10%程度」(西氏)であるなど、まだあまり増えていないことだ。より若い世代に向けた訴求は、依然として大きな課題となっているようだ。
そうした課題をクリアするには、既に若い世代に人気のサービスと連携することが近道だろう。実際発表会でも、ポイントを若い世代が多く利用する「iTunes Card」や「Google Play ギフトカード」などに交換できないかという質問が記者から上がっており、こちらは交換レートなどを含め検討中だと西氏は答えている。
またSmile STANDと連携するゲームに関しても、オリジナルのものを用意するのではなく、既に若い世代に人気のゲームとコラボレーションするという手段も考えられる。だが西氏は、ユーザーの利用動向データを得て分析するにはコラボレーションでは難しいため、オリジナルのゲームアプリを用意する必要があったと話している。
そしてもう1つ、ある意味最も大きな課題となるのが、そもそもSmile STANDに対応した自動販売機の台数が、28万台のうちまだ2.5万台程度と少ないことだ。Smile STANDの利用自体を拡大し、広告収入を得るなど新たなビジネスにつなげる上でも、稼働台数を増やすことは必須だ。笠井氏は今年度内に5万台、将来帝には15万台の自動販売機をSmile STAND対応にしていきたいとしているが、早期に数を増やし、ユーザーへの認知を高めていくことが、同社にはいま最も求められているといえそうだ。