NTTデータは7日、ミラクル・リナックス(MIRACLE LINUX)、およびサイバートラスト(Cybertrus)と、IoT分野における次世代ソリューションの実現に向けた技術開発・検証およびそれらのサービス確立を目的に協業を行うことを2017年8月7日に合意したことを発表した。

コネクティッドカーおよび自動走行車の研究開発が急速に進み、IoT活用を検討する企業が急激に増加している。多種多様な機器から収集される膨大なデータ処理の基盤技術として、エッジコンピューティングが注目されており、相互運用性、パフォーマンス、セキュリティー、拡張性、信頼性、可用性、俊敏性を支援する次世代ソリューションが求められている。

こうしたニーズに応えるため、クラウド基盤構築、組み込みソフトウエア、セキュリティーにおいてそれぞれ強みを持つNTTデータ、ミラクル・リナックス、サイバートラストの3社で、コネクティッドカーを始めとするIoT分野での高い信頼性、セキュリティーを確保したプラットフォームサービスの提供に向けて協業することになった。

この協業により3社は、産業機器へのIoT導入で培ってきた実績とクラウド基盤構築、組み込みソフトウエア、セキュリティーといった技術的優位性を生かし、まずはPKI(公開鍵基盤)注1を利用したコネクティッドカー向けIoTセキュリティーソリューションを中心に実証実験を2017年10月をめどに開始する。

各社の役割は、NTTデータがコネクティッドカーおよびIoT分野で今後求められる大量データ処理を可能とするクラウド基盤技術、およびAI技術を活用した新サービスの創出。

ミラクル・リナックスは、車載および産業機器向け組み込みLinux技術に加え、IoTデバイスの特徴を考慮したソフトウエアアップデートサービス「MIRACLE Secure OTA」の提供、組み込み専用マルウエア対策ソフトウエア「MIRACLE Anti-Malware for Linux」、ARMアーキテクチャーの「TrustZone」を利用するセキュアOSなど、IoTデバイス向けセキュリティー技術の提供、FPGA技術の活用によるクラウド環境での大規模データ解析および暗号化処理の高速化支援。

サイバートラストは、SoCまたはIoTデバイス製造時点で安全に認証情報を書込むためのシステム、およびWebTrust for CA/EV、電子署名法認定取得実績を持つ認証センター設備による、認証情報の安全な保管・公開システム提供、IoTデバイス上で認証処理や暗号化処理を行うためのSDKなどの提供、IoTデバイスのライフサイクルを通して、デバイスの安全性、信頼性、データ保護を実現するためのセキュリティー技術、運用ノウハウの提供、および、システム全体のセキュリティーリスクアセスメントを実施。

今後、3社の協業領域を拡大していく中で、エッジコンピューティングやAIを活用した次世代IoTソリューションについても技術開発を進め、将来のコネクティッドカーやスマート工場に向けた最先端のプラットフォームサービスを提供していくとしている。