近年、企業CSRやCSVを学習に採り入れる高校・大学が増えている。特に大学生は、就職を間近に控え、社会に対する意識が強くなっている時期。経済学や社会学といった学問を学ぶことも大切だが、実際の企業活動を研究することは有意義だろう。
ちなみに、CSRとは「企業の社会的責任」のことで、CSVとは「企業と社会の共通価値創造」を指す。字ヅラは似ていても、基本的に異なるものだ。特に近年は、CSVが注目されることが多い。“企業と社会の共通価値”というとわかりにくいが、企業が収益を上げながら社会問題を解決していくといえばイメージしやすいだろう。
そのCSVを学生たちが考え、企業にプレゼンする大規模なコンテストが、東京・立教大学で開催された。
まず、参加大学だが、跡見学園女子大学、学習院大学、昭和女子大学、高崎経済大学、宮城大学、立教大学の6校。
参加企業は、朝日新聞、キリンホールディングス、資生堂、トヨタファイナンス、日本アイ・ビー・エム、ブレーンセンター、三井住友アセットマネジメント、三井不動産レジデンシャル、メンバーズの9社。
これまで何回か、CSRやCSVをテーマにした授業やコンテストを見学させていただく機会はあったが、これほど大規模なものは初めてだ。コンテスト会場の教室に足を踏み入れると、学生たちの熱気で満ちあふれていた。
運営も学生組織が主体
CSVのプレゼンに挑戦するのは6校16チーム。A会場とB会場に8チームずつにわかれ、予選を行う。本戦に進めるのは4チームで、改めてプレゼンを行い最優秀賞を選出する。なお、コンテストを運営するのは学習院大学の「Innovation Team dot」(イノベーションチーム ドット)。つまりプレゼンするのも学生、コンテストを運営するのも学生、審査は企業が行うという図式だ。