こだわりが詰まった、ユーザーからの質疑応答

ここからは、来場したユーザーからの質問を受け付ける質疑応答を紹介していく。質疑応答ではまずVivaldiの冨田氏へ「独自のレンダリングエンジンを作るという噂がずっとあるが、実際どうなのか」という質問が寄せられた。

これに対し、「今の規模では独自のエンジン開発は無理」と冨田氏。現在、Vivaldi全体で40名ほどの規模だが、氏がもともと在籍していたOperaでは、レンダリングエンジンの開発だけで100名ほどがいたという。特にBlink以上に速くする事自体も技術的に難しく「歯がゆいところもあるが、今すぐ独自エンジンを開発する、というのはあり得ない」と回答した。

「スマートフォンでTwitterのリンクを開く場合、いちいちブラウザが開いてロード時間がもったいない。効率的にブラウザを使う良い解決策はないか」という質問には、Sleipnirの松野氏が、スマートフォンではOSの仕様で制限がかかり、できないことも多いと回答。以前、Sleipnirでは、コピーしたリンクを、(クリップボード情報をもとに)バックグラウンドでまとめて開く機能を実装していたが、iOSの仕様で制限され、その機能が排除された経緯があったという。

また、「VRデバイス上でのブラウザの形はどうなるのか」という質問には、複数のベンダがMRに注目していると明かした。jig.jpの福野氏は「VR(Virtual Reality)は楽しいが、本音を言えばMR(Mixed Reality)に期待している」と回答。ただし、MRでは現実の情報を仮想世界に反映できるが、その世界(MR)では「ブラウザとは呼ばないのでは」と述べ、「今でさえ女子高生は『ブラウザ』とは言わない。検索するという。ブラウザは死語になる」と話した。

Smoozの加藤氏は、「VRは厳しいが、MRは5年内登場してくるのでは」とコメント。「検索する時には、検索ワードを考えることが意外と難しい。MRでは、例えば現実のシチュエーションをクラウドで分析し、検索ワードをクラウドからレコメンドできる」と具体的な利用法を語った。また、ブラウザは今後も「残る」と断言。「リア充(現実が充実している人)は外で歩いて何かを見て『これを検索しよう』となるが、そうでない人は家でじっくり調べる。その時にはブラウザが役立つ」と持論を述べた。