三菱地所 執行役社長 吉田淳一氏

東京21cクラブのネットワーキングパーティは、毎年2回行われているが、こうした節目も重なったため、非常に熱気あふれるものになった。

会の冒頭にあいさつに立った三菱地所 執行役社長 吉田淳一氏は、「4,300社、28万人ものビジネスパーソンが集まる丸の内地区は、まさにビジネスの集積地」と前置きし、「ベンチャーと大手企業を結びつけるのに、これほど適した地区はない。また地下鉄やJRなど交通が集約しており、さまざまな場所に移動しやすいのも魅力」と話した。

東京21cクラブのネットワーキングパーティに初めて参加したが、吉田社長の話を裏付けるかのように、多くのベンチャー、そして大企業からの参加者が集まっていた。

また、吉田社長は「弊社もベンチャーと協業することで、さらなるイノベーションを生み出したい」と意欲をみせた。

ベンチャーをテーマにした基調講演やトークセッション

そのほか、ネットワーキングパーティでは、セールスフォース・ベンチャーズ 日本代表 浅田慎二氏による基調講演が行われた。浅田氏はCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)運営時のポイントなどについて語った。CVCでは「トップのコミットメント」「専門組織・専門人材」「権限付与(スピード)」が大切だとした。特に「ベンチャーは動きが早い。古くならないうちに投資を行うことが肝要」とスピードの重要性を強調した。 また、Tech In Asia 日本支社代表 ディビット・コービン氏をモデレータに、ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏、Rapyuta Robotics 共同創業者兼COO Arudchelvan Krishnamoorthy氏によるトークセッションも行われた。テーマはベンチャーと大企業の協業についてだ。

これらのキーノートやセッションを聴いているうちに、以前取材したある大企業役員の言葉を思い出した。「新規事業を立ち上げる際、ベンチャーの“アイデア”“早さ”“小回り”に頼らざるをえない」ということだ。ベンチャーは、まさにビジネスの主役ともいえる存在ともいえる。

写真左はセールスフォース・ベンチャーズ 日本代表 浅田慎二氏。写真右はトークセッションの様子。左から玉川憲氏、Arudchelvan Krishnamoorthy氏、ディビット・コービン氏

ネットワーキングパーティ後半ではお酒がふるまわれ、参加者たちが懇親を深めていた。ひょっとしたらひょっとすると、“新たな協業の芽”が生じたかもしれない。いや、動きの早い彼らのことだ。きっと新事業の芽がこの場で生じたにちがいない。