iPhoneの2017年モデルの一部への搭載や、東芝、ソニー、パナソニックといった日本の家電メーカーから次々とテレビが発売されるなどで注目を集める有機EL。いまや、スマートフォン(スマホ)業界、テレビ業界、ディスプレイ業界の3業界に共通して最大の関心事となっているこのパネル技術についてIHS Markitは7月5日(英国時間)、2017年の同市場(AMOLED)は、スマホおよびテレビ分野に向けた需要の急増により、前年比で63%増の252億ドルに達するとの見通しを発表した。

図 用途別に見た有機EL出荷額の推移(2017年以降は予測) (出所:IHS Markit)

IHS Markitのディスプレイ調査ディレクターであるRicky Park氏は、「スマホでの有機ELパネル搭載の増加と有機ELテレビの販売の増加が市場成長のドライバ役となっているほか、ヘッドマウントディスプレイやモバイルPC向け需要も着実に増加しており、そうした適用分野の拡大が市場の成長を支えている」としている。

特にスマホ市場では、軽量かつスリムなボディでさまざまなデザインを実現できるため、その需要が急速に高まっており、主要なスマホメーカーは、有機ELを活用することで、狭いベゼルまたは、ほぼベゼルのないデザインを採用したプレミアムスマホを競うように商品化している。

有機ELディスプレイ市場は、2017年後半にリリースされる予定の次世代iPhoneへ有機ELを採用するというAppleの決定にユーザーの支持が得られることが期待されており、中国のスマホメーカーも先を争うように有機ELパネルの採用を進めていることから、需要が急増。その動きに併せるように、韓国と中国のディスプレイメーカーは第6世代の有機ELファブに多額の投資を行っている。

また、有機ELディスプレイ第2位の市場であるテレビ業界も、有機ELテレビの生産量が前年の89万台から2017年は150万台に増加する見通しで、テレビパネル向け有機ELを独占している韓国LG Displayは、2017年後半の量産を目指して第2の有機ELパネルラインE4-2の稼動に着手する予定である。

なお、有機ELディスプレイ市場そのものは、2021年まで年平均成長率22%で成長を続け、400億ドルを超す市場へと成長する見込みだという。