ファーウェイの狙いは「スマホとのシームレスな連携」

その一方で、PC市場は縮小を続けている。米ガートナーによれば2016年の世界PC市場は6.2%の縮小になり、5年連続での前年割れとなった。

そのPC市場を支配しているのが中国のレノボ、米国のHPとデルだ。また、日本ではNECレノボ、富士通、東芝といった国産メーカーも根強い人気がある。いかにファーウェイといえども、PC市場の攻略は容易ではなさそうに見える。

だが、これらのPCメーカーはいずれもスマホ市場から撤退したか、出遅れている点で共通している。ここにファーウェイの勝機があるのではないだろうか。発表会でリチャード・ユー氏は、「なぜPC事業なのか、と聞かれる。これが、その答えだ」と語り、スマホ連携機能「MateBook Manager」を紹介した。

この機能を使えば、ひとつの「ファーウェイID」を用いることでスマホ、タブレット、PCをシームレスに連携できるという。具体的にはファイル共有やLTE接続のテザリング機能が実現しそうだ。

スマホとPCをつなぐ「MateBook Manager」(ファーウェイが公開したYouTube動画より)

こうした連携により、「すべてのスマートデバイスをシームレスにつなげることで、デジタルライフをトータルに提供する」とユー氏は構想を示した。

スマホ市場でのシェアを足がかりに、PC市場においても他メーカーを「ごぼう抜き」にするチャンスをうかがう。これがファーウェイの狙いだろう。