海外医薬品メーカーの日本参入をサポート

「海外の医薬品メーカーが日本で医薬品や化粧品などを販売するためには、厚生労働省の承認が必要なのですが、その承認をとるだけでも結構大変なのです。そこで例えば相手先には商品を日本に輸出してもらって、シミックグループが、日本国内の製造販売元となって、必要な業務を引き受けるというビジネスモデル。それが今回のケースです。」こう説明するのは、シミックホールディングス事業開発本部でコンシューマーヘルスユニット ユニットヘッドの木山基樹さん。

シミックホールディングス事業開発本部でコンシューマーヘルスユニット ユニットヘッドの木山基樹さん

「日本国内販売に必要な業務をワンストップで引き受けられるので、海外のメーカーからすれば、シミックとだけお付き合いをしていれば、承認もとれるし、臨床試験もできるし、営業の組織もあるし、工場もある。効率的でリーズナブルなんです。その中で、一般消費者向けの商品も取り扱うことになったのです。」

これまで海外のメーカーが、日本に参入する場合、商社か、日本国内の医薬品メーカーとアライアンスを組むという形がメインだったという。「医薬品メーカー同士のアライアンスだと、国内の医薬品メーカーも自分たちの組織を、自分たちの商品と同じように使わないとならない。両社とも利益をとらないと事業としてなりたたないので、互いに薄利にならざるを得なかったのです。」

こういった流れで海外メーカーの参入サポートをシミックが始めたのが2014年。「海外で市場を確立していて、認知されている商品なのに、日本では販売されていない商品を探して、国内で販売しようとなったのです」(木山さん)。その第1弾が、先ほどのザンミーラネイルなのだ。この商品は、スウェーデンのモバーグファーマ社が製造しているものを、輸入している。今後、ザンミーラシリーズも第2弾、第3弾とアイテム数を増やし、ブランドの拡大を図っていくという。

一般消費者向けのビジネスに関しては、今年の売り上げ目標は50億円。「今のところ計画に対して順調に推移しています」(木山さん)。2020年には、店頭売価規模で100億円を目指す。今後ザンミーラ以外にも、さまざまなメーカーと商品を投入していく準備を進めている。潜在的ニーズがある商品をどれだけ、日本国内に持ってきて、根付かせることができるのか。新たなビジネスモデルとして注目していきたい。