国内市場でもSIMロックフリーが少しずつ主流に

ここからは、日本と韓国のデバイス部門を統括する呉 波(ゴ ハ)氏のプレゼンによる、国内外のSIMロックフリースマートフォン市場における同社のポジションについて紹介しよう。今後のSIMロックフリースマートフォン市場を占う上で参考になる資料だ。

同社の2017年第1四半期(1~3月)の全世界でのスマートフォン出荷台数は前年同期比で21.6%増の3,455万台に達したという。これは世界第3位の位置に当たり、シェアで9.8%となる。価格が500ドル以上の端末では、2017年2月時点で同社のシェアは9.7%。低価格帯のモデルだけでなく、高価格帯のモデルでも高い存在感を持つことを示した。

ファーウェイ Device of Japan & Korea Region President 呉波氏

ワールドワイドの2017年第1四半期における同社のスマートフォン出荷台数は、21.6%伸びて3455万台という

国内に目を向けると、BCNのデータによれば、2017年1月から5月におけるスマートフォン市場で同社の販売台数は前年同期比88%の勢いで伸びており、シェアは第4位の7.93%を達成。同時期のSIMロックフリースマートフォンのみに絞ったデータでは、36.99%で堂々の第1位に。

2016年11月から2017年5月まで、メーカー別販売台数で7カ月連続でNo.1を更新中だ。さらにモデル別販売台数では、「HUAWEI P9 lite」が2016年7月以来、11カ月連続でNo.1を更新中となっている。

HUAWEI P9 liteは、GfKジャパンのデータでも目を見張る記録を打ち立てており、2017年4月10日~16日の週間調査で、SIMロックフリー端末として初めて量販店週間販売台数の機種別トップ10ランキンクの第8位にランクインした。呉氏は「SIMロックフリー端末として初めて」という点を特に強調し、「日本市場においてもSIMロックフリーが少しずつ主流になってきている」と述べた。

また、価格.comのスマートフォンカテゴリ満足度ランキング(2017年5月19日時点)では、トップ15の中に5台がランクイン。特に第1位を「HUAWEI NOVA lite」、第2位を「HUAWEI NOVA」が獲得している。以下、第9位に「HUAWEI MATE 9」、第12位に「HUAWEI P9」、第15位に「HUAWEI P9 lite」となる。

同社は今回発表のカメラ性能を重視したPシリーズのほか、ビジネスユース向けのMATEシリーズ、若者と女性をターゲットにしたNOVAシリーズを展開しているが、総じて高い顧客満足度を得ていることが分かる。

2017年1月から5月におけるSIMロックフリースマートフォン市場でのシェアは、36.99%で業界1位を達成

量販店週間販売台数の機種別トップ10ランギンクの第8位にランクイン。SIMロックフリー端末では初めての快挙となった

顧客満足度調査では上位15機種のうち、5機種が同社の製品となった

Pシリーズの中では、3万円を切る価格のHUAWEI P10 liteがもっとも台数が出るはずだが、HUAWEI P10とHUAWEI P10 Plusで販売台数にどのくらい差が出るかは興味深いところだ。

5.1インチと5.5インチのサイズ違いと、そこから来る画面解像度やバッテリー性能の違い、そしてグリーナリーなどのカラバリの違いで、7,000円の価格差がどう評価されるか。HUAWEI P10 Plusの健闘次第では、SIMロックフリーモデルでも各社から高価格帯の製品が次々と登場するかもしれない。