2016年6月、文部科学省は小学校における“プログラミング教育必修化”について報告、そして本年正式に決定した。2020年度には「大学入試改革」を実施したり、2020年を目途に“端末一人1台体制”を目指したり、教育現場に多くの“波頭”が押し寄せている印象だ。
プログラミング教育は必須
このプログラミング教育必修化について、内田洋行 代表取締役社長 大久保昇氏に話をうかがう機会があった。
その前に、内田洋行の主事業といえば、読者の方々は何を思い出すだろうか。おそらく、“オフィス空間構築”“オフィス用什器の提供”といった事業をイメージしたのではないか。それはそうだろう。オフィスに勤める我々ビジネスパーソンにとって、同社によるそうしたジャンルの成果・製品が目に触れやすいためといえるからだ。
だが、“自治体・図書館システム”“小中高ICT環境”“大学施設整備”といった公共事業にも大きく関わっている。また、“大手企業向けのネットワーク構築”“中堅中小企業向け基幹業務システム”など、エンタープライズ領域も手がけている。意外なことだが、内田洋行の売上高は“働く空間”“学ぶ空間”といった居住性については約1/3、約2/3はICTについての事業が占めているのだという。
こうした事業のなかでも、小中高ICT環境構築に40年近く関わってきたのがポイントといえるだろう。プログラミング必修化だけでなく、それを生かすためのICT環境の構築といった、教育業界に打ち寄せる波頭に対応するノウハウを内田洋行は持ち合わせている。
その同社のトップである大久保氏は、「今後、AIやIoTが発展し、社会の中心になっていくのは明らか。そうした業務に精通した人材を育てるのに、プログラミング教育は必要」と話す。
確かに文科省がプログラミング教育を推進するのは、今後、AIやIoT、ICTが経済の基盤となっていくうえで、そうした分野に従事する人材を多く確保したいのがねらい。総務省などは、2025年までに“IT人材を100万人確保する”と息巻いている。