今、巷に出回っているAI的なものでも、文脈を理解して会話することは難しく、直前の文に対してのみの回答をすることが多い。しかしGoogle アシスタントは文脈を読み取るので、本当に人間と会話しているような感覚で利用できる。

例えば、Google アシスタントである場所への行き方を訊くと、電車での行き方を示してくれる。さらに「車だとどう?」と聞くと、同じ目的地への車での行き方を表示してくれるというわけ。ひとつの文にしか反応しないのであれば、「車だとどう?」という文に対して、「車」についての検索結果を表示してしまうことだろう。

同じように、会話でコミュニケーションがとれるものとして、女子高生AIの「りんな」があるが、それと比べても文脈を読み取る力は格段に差がある。

りんなの場合は、基本的にひとつ前の文章にしか反応しないので、会話が成り立たないことも多い。例えば「ラーメン食べたい」と話しかけると、ラーメンの写真を表示してくる。なので「どこの店?」と訊くと、「どーする?」と自分が表示した写真のことを無視して答え、さらには直前の文章に対してもよくわからない返事がきたりする。そこが女子高生AIりんなの持ち味だが、これではタスクやスケジュールの管理などは頼めない。

コンテクストの理解力の増強とともに、今後は他アプリとの連携もはかり、それぞれのアプリ内でGoogle アシスタントが活躍できるようになる予定だ。タクシーの配車アプリと連携すれば、いつどこに来て欲しいのかを伝えるとタクシーを呼んでくれるようになる。また、家の窓の開け閉めや照明のオンオフなどもGoogle アシスタントを通じて行えるようになる。まさにアシスタントを雇っているような感じで、「アシスタントに言っておけばとりあえずやってくれる」というのが最終的なイメージなのだろう。

Google アシスタントを介して、さまざまなことができるようになるが、その先のアプリの対応は各アプリを配信する業社の協力が欠かせない