社長のコダワリが産んだMZ-80C復刻プロジェクト
ハル研究所が5月11日に発表した、パソコンミニシリーズ第一弾製品となる「pasocomMini MZ-80C」。6月1日から予約を受け付けることとなった。予価19,800円(税別)でBEEP秋葉原の店頭およびWebサイトで予約、販売が行われる。
pasocomMini MZ-80Cは、シャープが1979年に発売したコンピュータ「MZ-80C」の1/4ミニチュア筐体に、Raspberry Pi model A+を組み込んだ小型PCだ。内蔵のRaspberry PiにはMZ-80Cエミュレーターも搭載しており、ホビーパソコン黎明期の名機、MZ-80Cの動作を再現する。加えて、スマイルブームのSmailBASICも動作し、現代風プログラムも可能だ。
5月25日に開催された記者説明会では、今回のプロジェクトに関わったメンバーが熱い思いを語っていた。HAL研究所の三津原社長は、HAL研究所として25周年ぶりに発売するハードウェアであり、HAL研究所はかつてのPCG(*)やジョイボールといったオリジナルハードウェアのメーカーであることを紹介。
※MZ-80やPC-8001にフォントをプログラム可能なハードウェア
「個人的にこのような製品が欲しくて、いつか誰かが作ってくれるだろうと思っていたが、実際に販売されるものが出ていない。また、出てきたとしても、自分の思い入れが強すぎてきっと満足できないので、今回、満足できるものを作った」(三津原氏)。
かなり個人の思い込みが入っている。模型部分は青島製作所、プログラム部分はスマイルブーム、販売はBEEPの駒林氏さんに助けられ、一年半かけて作ったそうだ。
昔のパソコンの復刻版という「おっさんホイホイ」な製品だが、コンピュータの仕組みを理解するという意味で、若い人にこそ触ってほしい、パソコンの骨の髄までしゃぶりつくすような体験をして将来の「スタープログラマー」になってほしいと、三津原社長は熱く語った。
スマイルブームのBASIC+MZ-80エミュレーターという構成
pasocomMini MZ-80Cは、レトロなBASICが動くという機械だけでなく、プチコン3号やプチコンBIGで使われていたSmailBASICが動作し、さらにMZ-80のエミュレーターが動いている構成。Raspberry PIのGPIOも使えるように拡張されている。
このため、昔にMZ-80でプログラムを書いていた時代では手が出なかったであろう、デバッグ機能が充実。プログラム実行中にCPUのレジスタ構成を見たり、ブレークポイントを設定したりと、かなり凝ったプログラム作成環境になるそうだ。