半導体市場動向調査企業である米IC Insightsは、「2017年版O-S-D(非ICであるオプトエレクトロニクス・センサ・ディスクリートデバイス)市場分析と予測レポートを発行したが、その中で、2016年の世界のセンサ売上高が、2015年の64億ドルから14%増加し、過去最高の73億ドルと到達したと報告した。

また、2016年のアクチュエータの売上高は、過去最高だった2015年からさらに19%増加し、45億ドルとなった。同レポートによると、センサの総売上高は、今後5年間にわたって年平均成長率(CAGR)7.5%で成長し、2021年に105億ドルに達する一方、アクチュエータも同期間に年平均8.4%で成長し、2021年に68億ドル近くになると予測されている。

センサ/アクチュエータ分野の5つの主要製品カテゴリの2016-2021年の5年間の年平均成長率(%、横軸)と相対市場規模(%、縦軸)。その他のセンサには温度、湿度、およびガスセンサを含む (出所:IC Insights)

センサ/アクチュエータ市場は、これまで厳しい価格下落が続いていたが、2016年にそれが緩和、最終的には数量の成長に伴って売上高が増加した形だ。同レポートによると、センサとアクチュエータの平均販売価格(ASP)は、2012年~2015年の年間平均でマイナス9.3%だったのに対して、2016年にはマイナス0.9%にとどまり、すべてのセンサ製品カテゴリと大型アクチュエータにおいて、販売数量の増加により結果として、2桁成長を記録した。ちなみにセンサ/アクチュエータの2016年における出荷台数は203億台と、初めて200億台を突破したとのことである。

2016年の各MEMSデバイスセグメントの成長率は、加速度/ヨーレート(ヨー角の変化の速さ)モーション・センサが同15%増、磁場センサ/電子コンパスが同18%増、MEMSマイクロホンチップを含む圧力センサが同10%増、アクチュエータが同19%増となった。2017年は、加速度/ヨーレートモーションセンサが同9%増の30億ドル規模に、磁場センサ/コンパスは同8%増の20億ドル規模に、圧力センサは同8%増の27億ドル、アクチュエータは同8%増の約49億ドルに、それぞれ成長すると予測されている。

なお、MEMSを搭載した製品の売上高は、2014年に5.8%増、2015年に5.1%増、2016年に15.4%増と成長が続いており、その金額規模は2016年で97億ドルとなった。今後は、新たなウェアラブルシステムやIoTの需要の増加、そして自動車に搭載される自律型運転機能などのインテリジェントな組み込み制御の急速な普及により売り上げがさらに増加する見通しで、MEMSベースのセンサとアクチュエータの売上高は2021年には143億ドルに達すると見られている。