カメラによるモバイル活用が一気に花開く

カメラは、キーボード以上に素早く快適で直感的な、スマートフォンの入力手段、と評価することができる。Wi-Fiパスワードの文字列を入力ミスして、はじめから入力しなおす経験をしたことがある人なら、その価値はすぐに分かるはずだ。

スマートフォンのカメラを活用したAR環境の実現は、4月に開催されたフェイスブックの開発者会議「F8」でも同様の発表があった

フェイスブックは、AR活用について、情報表示、デジタルオブジェクト、装飾という3つの分類を示し、開発者向けにプラットホームを開放している。Facebookがソーシャルメディアであり、AR活用も、よりコミュニケーションや楽しみに重点を置いた内容であるという印象を受けた。

フェイスブックがARの活用を進めるのは「情報表示」「デジタルオブジェクト」「装飾」の3つ

これに対して、グーグルは、より日常的かつ実用的なカメラによるAR活用の提案を行っている。スマホのカメラが、写真やビデオの撮影以外に多用されるモバイルコンピューティングの姿は、2017年に一気に普及することになると考えられる。

音声アシスタントに続き、グーグルの強みが表れる

Google Lensで実現していることを見ると、既視感を覚える。ARにおけるフェイスブックに対するグーグルの構図は、音声アシスタントデバイスにおけるアマゾンに対するグーグルの構図に見えるからだ。

音声アシスタントデバイスについては、今回のGoogle I/Oでも基調講演で触れられており、Google Homeのより多くのデバイスのサポートや、日本を含む各国への拡大がアナウンスされた。