スマートフォンの通信速度が、現在の100倍くらい速くなったら? 空想上の話のように聞こえるが、実はほんの数年後に、そんな世界がやってくる。では、来たるべき"超"高速通信で、私たちはどんなサービスを利用できるのだろうか。KDDIが19日に公開した、次世代通信規格「5G」を活用したデモは、近い将来を待ち遠しくさせるに充分なものだった。

KDDIは19日、次世代通信規格である「5G」のデモンストレーションを報道陣に公開した

次世代通信規格「5G」とは?

5G(ファイブジー)という名称、まだ「聞き覚えがない」という人もいるかも知れない。ごくごく簡単に説明すると、かつてガラケーでメールやネットを使用していた頃の通信規格が2G。その後、スマホの黎明期には3Gが主流になり、いま私たちが日常的に使用しているのが4Gだ(厳密にいうとLTEは当初3Gの範疇だったが、現在は4Gにカテゴライズされている)。

そして第5世代移動通信規格、つまり5Gは2020年の実現を目指して、各通信事業者で開発が進められている。この5Gを使って、KDDIではどんなことをやろうとしているのだろうか? 同社 モバイル技術本部 シニアディレクターの松永彰氏が登壇して説明した。

KDDI モバイル技術本部 シニアディレクターの松永彰氏が5Gについて解説。今回は、3つのデモを通じて5Gの利便性を紹介していった

5Gの特徴を3つのキーワードで説明するなら「高速・大容量」「低遅延」「多接続」となる。

簡単に説明すると、ダウンロード速度は20Gbps程度まで引き上げられ(高速)、一度にたくさんの人が利用してもネットが遅くならず(大容量)、スマートフォンから基地局までの遅延が短くなり(低遅延)、将来的に多くの家電製品がネットにつながるIoT時代にも対応できる(多接続)ことを意味している。

KDDIが5Gで注力するのは、エンタメ、セキュリティ、エデュケーションといった分野。松永氏は「いままでの4Gとは全く違う、4Gの延長線上ではないところでステップアップを実現したい」と説明する。

5Gの特徴は「高速・大容量」「低遅延」「多接続」。KDDIでは、5Gでエンタメ、セキュリティ、エデュケーションといった分野に注力していく