最新マクロレンズの期待を裏切らない

実写での描写性能は、マクロレンズらしいキレのよさが感じられるものだ。今回はEOS 9000Dで試用した。

遠景 (と言うほど遠くはないが) では、画面中心部は絞り開放から十分にシャープで、1段絞ったF4でさらに解像力がアップする。四隅は中心部よりはやや落ちるがF8まで絞れば申し分のない描写になってくれる。さらに絞ると回折の影響が見えはじめるが、F11までなら良好な画質が得られる。自然風景などで画面全体のシャープさが欲しいときにはF8で撮るのがベストだ。

F2.8

F4

F5.6

F8

F11

F16

F22

以上は、Digital Photo Professionalソフトウェアを使用して、レンズ光学補正をオフの状態でRAWから現像。EOS 9000D Avモード マイナス1.0EV補正 ISO100 WB:太陽光 ピクチャースタイル:オート

上の写真群は、撮影時にレンズ光学補正をすべてオンにしていたので、キヤノン純正RAW現像ソフトのDigital Photo Professionalで、回折補正、色収差、色にじみ、周辺光量、歪曲の5項目をオフにして現像したものも次にご覧いただこう。

F2.8

F4

F5.6

F8

F11

F16

F22

EOS 9000D Avモード マイナス1.0EV補正 ISO100 WB:太陽光 ピクチャースタイル:オート

歪曲収差は弱いタル型でファインダーを覗いていて気になるようなことはない。建物などを撮らなければそれほど問題にはならないと思う。もともとマクロレンズは精密複写などの目的で開発されたものだけに、本来は歪曲ゼロが基本であるべきだが、サイズや価格との兼ね合いも考えるとぜいたくは言えないだろう。

周辺光量低下は絞り開放ではかなり大きく、F4でもまだ気になるが、F5.6まで絞ればあまり目立たなくなる。倍率色収差はないと言えるレベルだ。

近接撮影時も絞りを変えて撮ったものを掲載する。ピントが合った部分は開放から十分にシャープで、マクロレンズらしいしっかりとした描写だ。ボケはピント位置の前後ともに自然でクセがなく、安心してボケを活用できる。

F2.8

F4

F5.6

F8

F11

F16

F22

EOS 9000D Avモード プラス0.3EV補正 ISO100 WB:オート (雰囲気優先) ピクチャースタイル:オート