なぜスクエアフォーマットを採用したのか

富士フイルム イメージング事業部長の武冨博信氏は、「スクエアフォーマットは見慣れない人も多いかもしれないが、実は90年も前から芸術的な表現を求める写真愛好家に支持されてきたフォーマットだ。画角が広がることで、長方形の写真とは違った趣(おもむき)の写真が撮れる」と開発の背景を語る。

富士フイルム イメージング事業部長 武冨博信氏

スクエアフォーマットは銀塩カメラによるモノクロフィルムの時代から愛好家が多かった

instax“チェキ”は、1999年から展開。銀塩カメラの市場が年々縮小していく中、手軽に使えるインスタントカメラとして若い世代を中心に愛用されてきた。近年は10代~20代の女性ユーザーがコアな支持層となって、急激に販売を伸ばしている。

instax“チェキ”の販売台数は、2012年度以降、右肩上がりで推移。2017年度も強気の目標を掲げる

2012年には160万台だった年間販売台数が急成長し、2016年度は対前年比3割増の660万台を達成。2017年度は750万台を目指す。

これまでもinstax“チェキ”は、ターゲットユーザーに合わせてラインナップを広げてきた。スタンダードな「instax mini 70」のほか、“かわいい”をコンセプトにした「instax mini 8+」、男性ユーザーを想定した「instax mini 90」、ファミリー向けに大きく撮れる「instax WIDE 300」、スマートフォンで撮影した画像がその場で印刷できる「チェキプリンター SHARE SP-2」といった具合だ。

そして今回新たに「クリエイティビティ」が加わった。写真画質の向上と、撮影前あるいは印刷前の編集・加工を実現しながら、シンプルで直感的な操作性は継承している。これにより、「感度が高く、表現欲求の高いミレニアル世代を中心とした幅広い層のユーザーを取り込んでいく」考えだ。

メインターゲットごとにさまざまなコンセプトの“チェキ”を投入してきた

SQ10は「手軽にクイリティブに楽しめる」をコンセプトにしている

SQ10は「あなたのクリエイティビティを解放する」をキャッチコピーとし、ワールドワイド共通のイメージキャラクターとして、モデルでありフォトグラファーでもあるヘレナ・クリステンセンさんを起用。ユーザーのクリエイティブな感性に訴えかけていく。YouTubeでプロモーションムービーメイキングムービーも参照可能だ。

SQ10のキャッチコピーは「あなたのクリエイティビティを解放する」

スーパーモデルのヘレナ・クリステンセンがイメージキャラクターを務める

今回の発表会ではファッションモデルの水原佑果さんと、ファッション情報誌「Numero TOKYO」の田中杏子編集長がゲストとして登壇し、トークショーを披露。「フィルターをセッティングしたまま撮ったり、あとから変更もできるので、自分の撮影が上手くなった気になれる」(水原さん)、「スマートフォンで撮る写真が難しいと感じている人でも、写真やカメラを好きになるきっかけになれる」(田中さん)、といったコメントを寄せた。

水原さんは「Instagramにアップする写真もこのチェキで撮影したい」と語った