メディア向けの説明会では、ロジクールのAPAC担当・Matthias Tlib氏がスピーチ。人が恐れていることの一つに「人前で話す(プレゼンテーション)」があり、何を伝えたいのかジャッジされることに、恐れを持っているそうだ。

Logitech Senior Regional Category ManagerのMatthias Tilp氏。手に持っているのはSpotlight

日本で独自に調査したところ、ビジネスパーソンの7割近くが月に一度以上のプレゼンをしているという結果が出た。「良いプレゼンは分かりやすくポイントが明確」と6割の人が認識しているものの、9割の人は「プレゼンに苦手なところがある」と考えている。

一方で、故スティーブ・ジョブスのような魅力的なプレゼンを見かける機会は増加。多くの人が、このようなプレゼンをしたい、このようなプレゼンを見たいと期待している。

そこに、画期的なプレゼン可能にするツールのビジネスチャンスがあると分析したそうだ。現状、プレゼンテーションソフトには大きな市場がある反面、プレゼンのためのリモートツールは使われていないし、売れてもいない。

方法を問わず分かりやすく、疲れにくいプレゼンを実現

ロジクールも以前からプレゼンツールを販売しているが、基本的には、スライドを「進む」「戻る」「指し示す(レーザーポインター)」という機能に集約される(製品によってはタイマーを内蔵している)。

従来のレーザーポインターによるプレゼン例。その場ならともかく、このような写真やWeb会議だと、いまいち分かりにくく、指し示す対象がハッキリしない

スクリーンでプレゼンする場合はレーザーポインターが見えるが、液晶ディスプレイやWeb会議だと、画面上でポインターが目立たない。また、ここが重要とポイントエリアをクルクル回したり、緊張してポイントがプルプル震えていると、見ている側も疲れてしまう。

話をSpotlightに戻すと、Spotlight本体には3つのボタンがある。もっとも使うであろう進むボタンが親指にかかり、その下に戻るボタン。進むボタンの上に配置したメディアボタンが特徴で、複数の機能を割り当てることが可能だ。

機能面では、任意のプレゼンエリアを懐中電灯で照らすように明るくして注目させる「ハイライト機能」、注目エリアを拡大する「拡大機能」、カーソルコントロール機能などがある。タイマー機能については、あらかじめ時間を設定しておき、プレゼン終了の5分前にSpotlightが振動して知らせるほか、スクリーンとは別のPC画面にタイマーを表示させられる。ちなみに、ポイント位置はジャイロと加速度センサーで判定するため、必ずしもスクリーンに向いてなくてもよい。

Spotlightの「ハイライト機能」ならば、対象物だけをハッキリと理解させられる

大きな画像の一部だけ見せたい場合、2枚のスライドを用意する必要があるが、「拡大機能」で一部だけを大きく表示

ソフトバンク・孫正義氏のプレゼン資料を作成した前田鎌利氏

ゲストとして、Spotlightアンバサダーの前田氏も登壇。2013年にソフトバンクを退社するまで、孫正義氏のプレゼン資料作成などに関わっていた人物だ。プレゼン作成のポイントは、見せたいところをシンプルに表示させることと指南。

「SpotLightには拡大鏡機能があるので、拡大した資料を用意しなくても現場でスライドの一部を拡大できる。スライドの枚数も減り、現場にとって画期的な商品ではないか」と語っていた。また、充電式なので電池の予備が不要、電池を入れる場所の外れることもなく、「スタイリッシュなのでテンションが上がる(笑)」とした。

このようなチャートではどこが見せたいポイントなのか分かりにくい。そこで別のスライドを用意して拡大することになる

バンっと拡大させて図と文字を分け、右脳と左脳に訴えかけるのがポイントだそうだ

Spotlightを使うと一枚のスライドでも拡大して見せることができる

フォトセッション。中央はMatthias Tlib氏、左はロジクールの榊山大蔵氏(国内マーケティング戦略を説明)。右がゲストの前田鎌利氏