大日本印刷(DNP)とスター精密は3月6日、荷物カートなどの車輪(キャスター)に内蔵され、車輪の回転による発電で稼働する「キャスタービーコン」を活用し、商業施設や駅・空港などでの人やモノの現在位置や動きを可視化するIoTサービスを2017年4月より開始すると発表した。

同サービスは、スター精密が開発した電磁誘導型回転式発電ユニットとビーコン回路を搭載したBluetooth対応キャスタービーコンが電波を発信することで、施設内の受信機を介してクラウドサーバがカートなどの位置情報を集約することで、その現在位置や動線を可視化するもの。DNPが開発した位置情報に特化したIoTプラットフォームを使用しており、実装されているサービス用のAPIを活用することで、企業などによるIoTサービスの早期実現が可能になるという。また、「所在・動線管理機能」のほか、屋内ナビゲーションやクーポン配信などの「情報配信機能」も備えているため、スマートフォンアプリで位置情報に基づいた生活者向けサービスを実施することも可能だという。

なお、大規模施設でのサービス有効性に関する実証実験として、成田国際空港の協力のもと、すでに行っているとのことで、同空港内の10箇所に設置した受信機(ゲートウェイ)がカートの移動にともなう電波を受信して、その情報をクラウドサーバに送信。サーバでカートの位置情報を集計し、その結果を管理画面に表示するといったことが行われているという。

キャスタービーコンを活用したIoTサービスの中身。車輪に内蔵されたビーコンが電波を発信し、それをクラウドサーバが受信して集計、管理画面で集計結果を表示するといった流れで構成されている