政府が力を入れる働き方改革。その中でも、課題感が強いのは女性活躍の取組みだ。女性が長く働き、活躍できるようになるための取組みが各企業で進められているが、その中においてもエイジョと呼ばれる営業職の女性従業員は10年で9割やめるといわれている。様々な職種がある中でも、最もスタンダードといえる営業職。なぜ状況はよくならないのだろうか。ソフトバンクは、10日におこなわれた「新世代エイジョカレッジ・サミット」で、ある提言を発表した。

ソフトバンクは、通信業界とあって、同社の営業はすでにいつでもどこでも仕事ができる体制がある。しかしながら、将来に対する漠然とした不安はぬぐえないという思いを抱えている女性は多いという。同社の法人営業の女性従業員は、営業を続けながらライフイベントを乗り越えることができるように、また営業職のイメージ向上のために、女性営業職のための社内ポータルサイト、社外に向けては女性営業職のリクルーター制度を提言した。

自由な“枠”を与え、考えさせる

どこでも仕事ができるリモートワークそのものは、IT、外資企業など取り入れる企業は増加している。しかし、ソフトバンクが考えるのは、基本的には週に一度、時間の使い方の制約と場所の制約をなくすフリー出勤の日。プレミアムフライデーならぬ、「SUPER! FREEDAY」だ。これは事前に上司に報告、相談した上で、日時を決定。各自で始業時間、就業時間を設定し、定時内で行ったことは勤務とみなすというもの。

自由というのは、責任が伴うものです

夕方に子どもを迎えに行って、夜仕事をするとか、カフェで仕事をするなど、時間と場所を自由にカスタマイズできる。ソフトバンクはこの試みを法人営業部内で男女、管理職一般職問わず行った。その際、子どもがいる管理職には、子どもを迎えに行くことをお願いし、ママの働き方を理解してもらえるようにしたという。結果、約2割の時間削減に成功したという。

制度はあるが、活用されない。そういうことは多々ある。ソフトバンクがこの試みを行う上で重要視したのは、働く社員の満足度だ。通信企業の営業ならではの提案といえよう。発表者した女性社員は「自由を与えることで、自分の働き方をよりよくする方法を考えさせる狙いがある」という。

働く人それぞれが自分事として、どうやったらいいかを考えさせる風土づくりは、まさに働き方改革のキモのひとつといえよう。どうやったら、働き方を変えたいと自発的な行動に移すことができるか。本格的に導入するかは、まだ決まっていないというが、どうやって“やる気”にさせるか、その手腕を見てみたい。