2016年度第3四半期の業績

第3四半期の業績は、売上高が前年同期比13.8%減の5,715億円、営業利益は前年同期の38億円の赤字から188億円の黒字に転換。経常損益は前年同期の141億円の赤字から167億円の黒字に、当期純損益は前年同期の247億円の赤字から、42億円の黒字になった。

一方、2016年度の通期見通しを上方修正し、売上高は11月1日公表値に対して、500億円増の2兆500億円、営業利益は116億円増の373億円、経常損失はマイナス161億円増のマイナス2億円の赤字、当期純損失は46億円増のマイナス372億円の赤字とした。

「第4四半期の黒字化は達成できると考えている。通期見通しは、第3四半期の実績や、第4四半期の事業環境をみて、目標値の修正を行った。為替の影響も加味している。また、物流の改善などを含めた鴻海グループとのシナジー効果は99億円を想定していたが、計画を若干上回るスピードで進んでいる」(野村氏)などとした。

2016年度第3四半期累計のセグメント別業績は、IoT通信の売上高が前年同期比28.4%減の1101億円、営業利益が同30.3%減の95億円。「新規モデルを投入した携帯電話の販売増があり、第3四半期は増収になっている。継続的に経費削減、コストダウン効果があった」とした。

健康・環境システムの売上高が7.0%減の2,089億円、営業利益が2.9倍の207億円。「空気清浄機などの販売が好調に推移したが、海外におけるエアコン、冷蔵庫の販売減があった。ヘルシオシリーズなどの高付加価値製品によるモデルミックス改善が利益に貢献している」という。

ビジネスソリューションの売上高は11.2%減の2,320億円、営業利益が35.5%減の154億円。「インフォメーションディスプレイなどの事業用ディスプレイの販売が好調。だが、北米を中心とした海外における複合機の販売減があった」と総括した。

カメラモジュールの売上高は22.1%減の1,559億円、営業利益が91.0%減の8億円。「大手スマホメーカー向けの需要減少が影響した。コストダウン効果が出ている」という。

電子デバイスの売上高が18.1%減の1,617億円、営業利益が4.4倍の32億円。「システムデバイスの新製品立ち上げ予定があったものの、スマホ向けセンサーモジュールの需要が堅調に推移したことで、第3四半期はわずかに増収。徹底したコストダウンと経費削減効果が出ている」と述べた。

エネルギーソリューションの売上高は35.2%減の734億円、営業損失が前年同期のマイナス50億円からマイナス127億円に拡大。「住宅用および産業用太陽電池の低迷が響いた。円安に伴い、買い付け契約の評価引当金の追加がマイナスに影響した」という。

ディスプレイデバイスの売上高は31.4%減の6,030億円、営業損失がマイナス110億円の赤字から回復したものの、マイナス36億円の赤字となった。

「大手顧客向けスマホ用パネル需要が減少。北米テレビ事業をブランドビジネスに移行した影響があり減収。だが、液晶テレビと大型液晶、中小型液晶のすべてが黒字を確保できている。第4四半期もそうした動きが続いている」としたほか、「第3四半期は有機ELの開発負担があったが、デジタル情報家電の黒字の継続や、液晶ディスプレイのコストダウンへの取り組みによる収益改善がみられており、黒字化している」という。

また、「2018年度には、液晶テレビで1,000万台の出荷を目標にしている。一方で、有機ELは今後、量産を考えていくことになるが、すでに有機ELに関する技術を持っており、開発をしっかりとやっていく」と述べた。