本機は0~360度までの任意の角度に調節することで、ノートスタイルやタブレットスタイル、画面を180度開いたフラットスタイル、動画鑑賞などに便利なテントスタイルなどのさまざまなスタイルに変形できる。そのうち、ノートスタイルと同じくらい利用頻度が高そうなのがタブレットスタイルだ。
ディスプレイには適度な摩擦が
タブレットとして利用する際に気になるのが、液晶ディスプレイの見やすさとペンの書き心地。ノングレア(非光沢)パネルを採用する本機は、グレア(光沢)パネルにありがちな照明の映り込みなどがなく、作業内容が見づらくなることが少ない。また、グレアパネルの場合ペン先がつるつる滑って描きにくいこともあるが、本機の場合は適度な摩擦が設けられ、さらっとした紙の上に書いているような感覚だった。
ディスプレイには、タッチパネルと液晶の間に通常ある空気の隙間をなくした「ダイレクトボンディング」と呼ばれる技術を採用しており、ペン先と表示位置のズレをほとんど感じないレベルに抑えられている。付属のアクティブ静電ペンのペン先は1.0ミリ径と細く、小さな文字も書き込みやすい。実際にノートアプリの方眼用紙を選んでメモを取ってみたが、方眼のマス目一つ分くらいの小さな文字も、表示を拡大させなくてもブレブレになったりせずにきちんと書き込むことができた。
排気口の位置が若干気になるものの……
若干気になったのが、縦位置で持つ際に手で排気口付近を押さえる形になってしまうところ。
試用時は冬ということもあってか特に違和感や不快感は覚えなかったが、夏だと温度が気になることもありそうだ。Core mなどの省電力プロセッサを採用してファンレスを実現した2in1 PCに比べると、そのあたりが弱点と言えるかもしれない。もっとも、そういったタイプに比べてパフォーマンスに優れる分、筆跡追随性はよく、複雑なブラシでもペン先から遅れずに筆致が表示される。ペンの活用が目当てなら、本機は力強い相棒になってくれるに違いない。