時間とともに変化する香りを楽しむ

コーヒー豆は生鮮食品。一度焙煎した豆は約2週間で酸化が進み、味や香りが劣化するといわれている。挽いた豆ならさらに酸化の進行が早く、3日ほどで飲み切るのが推奨される。その点、生豆は半年ほどはほとんど劣化を感じることなく楽しめるという。このため、少量ずつ焙煎できる環境は「常に美味しいコーヒーを飲みたい」という人には非常に魅力的な製品だ。

焙煎して時間がたったコーヒー豆と焙煎したての豆をかぎ比べてみた。新しい豆は香ばしく甘い香りがするのに対して、古い豆は香ばしさのなかにくすんだ臭いが混じっている。香りを嗅ぎ比べると、たしかに焙煎したてのコーヒーが飲みたくなる

豆は銘柄が違えば味も変わる。また、同じ豆でも「浅煎り」したものと「深煎り」したものでは味が異なる。とくに浅煎りと深煎りは、同じ豆とは思えないほど味が違っていて驚き

プロファイルを担当した後藤氏いわく、コーヒーは段階によっていろいろな香りが楽しめるのも特徴だという。コーヒーは豆を挽くときに香りの6割が放出されるのだとか。このため家で挽くと、「豆を挽いたときの香り」「ドリップしたコーヒーの香り」「コーヒーの味」、とさまざまな楽しさを味わえる。

さらに後藤氏は「我々焙煎士は、これに加えて焙煎の楽しみを味わっています。生豆がどんどん香ばしい香りに変化する……その変化を楽しめるのは非常に贅沢な体験です」とコメント。このため、焙煎を家庭でできるメリットは大きいとしていた。